11/4(月・祝)に開催された「全日本学生フィジーク」で頂点に立ったのは、日本体育大学4年の佐村直紀だった。「全日本学生ボディビル選手権大会」に新たに加わった種目であり、多くの選手が「初代学生フィジークチャンピオン」を目指して本来開催されるはずだった10/12に向けて調整を進めてきたが、台風19号接近の影響により大会は中止。学生ボディビル部門は10/14に開催されたが、学生フィジーク部門は約1ヶ月おいてこの日の開催となった。
「ここでの優勝を目標にやってきたので、中止となったときは正直ショックでした。ただ、11月には世界ジュニア選手権に出場することになっていたので、まずはそこに気持ちを切り替えようと。そのなかで大会運営の方々を中心に素早く動いていただいたことで、10/14に開催された学生ボディビルもそうですけど、今日この舞台に立つことができたので、本当に感謝しかありません」
昨年のオールジャパン選手権メンズフィジーク ジュニアの部では3位入賞を果たし、身長で階級が分かれた今年のジュニアの部・172cm以下級では頂点に立つなど、172cm超級で上位を争った穴見一佐や辻大成らと並んで“世代No.1フィジーカー”の呼び声も高い佐村。もともとバスケットボール部に所属していたが、今年になってバーベルクラブに加入したのはある理由があった。
「今年から学生フィジークが始まるということもあり、領(五味原・同クラブ4年)が『ボディビルもフィジークも日体が上位を独占するんだ』とずっと強く誘ってくれていたので、加入を決めました。自分自身もボディビルとフィジークの両方に出場してやっぱりキツかったですし、そもそもボディビルは初めてでしたけど楽しむことができました」
結果は、学生ボディビルで相澤隼人(2年)が優勝、五味原が2位、さらに佐村も4位。この日の学生フィジークでも佐藤悠介(2年)が2位に付けており、まさに有言実行。関東大会でも國武知弘(1年)が2位に立っていることも含め、日体大が圧倒的強さを見せつけて今年の学生大会を締めくくった。
「初代学生フィジークチャンピオンとして審査員の方々に評価していただいたのはとても光栄なことだと思います。これに満足せず、今後はもっと上を目指していきたいです」
まずは今月末の世界ジュニアで上位へ。そして、大学を卒業する来年からは日本トップフィジーカーたちと並ぶ中でも上位へ。佐村直紀が、新たな一歩を踏み出した。
文・写真/木村雄大