新連載『世界のジムから』。各国のスポーツ文化やトレーニング事情も紹介




――トレーニングがしたい!――
ジム通いが習慣となっている、いわゆる“ジムジャンキー”は、海外旅行中も、きっととこう思っているはずだ。

一方、ジムジャンキーを理解できない人もいるだろう。
――え? 海外に来てまで、なんでトレーニング?――

短期間の観光旅行なら、名所めぐり、ショッピング、食事などなど、寸暇を惜しんで動き回りたい人が多いだろう。だが、あちこち動き回らず、リゾート地でのんびりしたいという人が多いのも事実だ。そう考えると、短期間の滞在であれ、トレーニングを予定に組み込みたいという人がいても、何の不思議もない。

ルーティーンを崩したくない。何かの大会前で、コンディションを崩したくない。何度も来ている場所だから、それほど観光意欲がない。短期滞在であっても、トレーニングをしたい、その理由は様々だ。睡眠時間を削ってでも滞在を漫喫しようとする人は珍しくない。ならば、早起きしてトレーニング、その上で観光を楽しむ人がいても、まったくおかしくない。

ビジネス出張の場合も同様だ。トレーニング、仕事、さらには観光や食事を楽しむ人の時間の使い方は、称賛に価することだろう。また、滞在期間が長くなれば長くなるほど、トレーニングをすることに対する欲求は高まり、周囲からの異論も減るに違いない。

世の中には、観光旅行と業務出張とを問わず、併設されたジムがあることを、ホテル選びの基準にする人がいる。出国前の準備として、訪問先で利用できるジムを調べている人もいる。さらには、海外旅行中、訪問先のジムそのものを楽しむ人だって、中にはいるのだ。おそらく少数派ではあるが。

旅先で本稿筆者が利用したジムや見かけたジムを紹介する本連載、「世界のジムから」。次回から、海外に実在するジムを紹介していくが、ジムから伝わる、街から感じる、その国のスポーツ文化やジム事情などについても、お伝えしていきたい。VIVA海外旅行、VIVA世界のジム!

※筆者の訪問後、ジムの営業時間、所在地、料金などが、記事内での紹介内容から変更となっている可能性がございます。本連載で紹介されたジムのご利用をご検討の方は、ジムの存続も含め、必ず事前にご自身で調査するようにして下さい。

 

取材・文/木村卓二(きむら・たくじ)

本業はTVディレクター。複数言語に通じ、ラグビー日本代表スクラムコーチ通訳(フランス語)、ラグビーW杯Broadcast Venue Manager、FIFA W杯Broadcast Liaison Officerなども歴任。世界各国のStrength & Conditioningコーチに感銘を受け、究極のトレーニングを求め、取材と研究に勤しむ。認定フィットネストレーナー資格を持ち、格闘家などへの指導も行なっている。