各地で梅雨入りが発表されています。
気温はさほど低くないのにジメジメした日は、カラダが冷えやすく全身強張りやすいので薄着には要注意です。
今回は前回に続き「マスクの下に隠されてしまった表情」のお話です。
緊急事態宣言が解除され、少しずつ本来の日常を取り戻しつつある最近——この間、私自身もいち早く通常業務に精励することができるよう、“仕事仕様の身体”の感覚を徐々に取り戻すべく、心身ともに本格的復帰に向けたウォームアップに努めてきました。なにしろ、2ヵ月近くの休業でしたからね……。そして、一日中施術を行なう“いつも通り”の日々がようやく再始動しつつあるところです。
仕事をする時の姿勢は職種によってさまざまですが、大きくは「デスクワーク」と「立ち仕事」とに二分されるか思います。残念ながら、その割合は定かではありませんが、運動不足がことのほか叫ばれる今日においては、デスクワーク人口のほうが立ち仕事人口を上回っていると言えるかもしれません。カラダは足腰から衰えるものですからね。
さて、私の場合はと言うと、もちろん「立ち仕事」。しかも、つねに前傾姿勢で、さらに四肢動物と言っても過言ではないほど、腕や手のパワーを使う「偏った運動習慣」で30年近くも過ごしてきました。その偏った姿勢は、前回も述べた通り、顔のフォルムや表情に多大な影響を及ぼすことになる筋膜にも、当然よくない特徴が蓄積される結果となって表われています(もちろん、顔だけではありませんが……)。
そこで、私自身のケアの時間もどうにか捻出しようと、日々心がけていることがあります。
それは「お風呂タイムの有効活用」。
そして、気になるお顔の問題は、とくに「シャンプー」で解決するようにしているのです。
この日々のお風呂タイムによって、マスクの下に潜む表情は確実に変わります。
おすすめの方法は、以下の通り。
①まずはバスタブにゆったりと身をゆだね、背泳ぎのように後頭部まで湯船に沈ませるようにして頭部や耳の周辺を温める(すると、顔がポカポカしてきます)。
②湯船から上がり、「耳の周りから側頭部」を皮膚ごと“ゴシゴシ”とマッサージをするようにシャンプーする。
③洗顔の際には「耳から首」をグーの手で丁寧に、今度は“クルクル”と転がすようにマッサージをする。
②や③はお一人お一人に適した方法(ヒトはみずからが楽な姿勢のほうへと左右前後いずれかの方向に歪んでいくものであり、それが習慣になっている。そして、その偏った姿勢が自然体となって身についている。したがって、真の自然体に戻すには、それぞれにアプローチ法は異なるということ)がさらにありますが、まずは“ゴシゴシ”と“クルクル”を心がけ、前後左右あらゆる方向に試してみてください。
このように、シャンプーや洗顔の仕方にちょっと工夫を加えるだけでも、表情はキリっと変化するもの。仕事の習慣によって身についた偏った自然体は、シャンプー習慣によって本来の正の自然体に戻していきましょう!
山本康子(やまもと・やすこ)
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、コンディショニングセラピスト。施術キャリアは30年。日本代表チームのトレーナーとしてトップアスリートのボディコンディショニングを手掛けてきた。その間、約6年に渡り外国人トレーナーと共にヨーロッパなど各地を転戦した経験によって、日本にはないスピリットを強く感じ、施術テクニックはもちろんのこと、人として現在もなお進化すべく努力を続けている。2004年に、アー・ドライ治療院、2013年に筋膜リリース専門のスカンディックケアを開業。施術者の育成と労働環境整備にも力を注ぐ。
Scandic care (スカンディックケア)
〒162-0056 東京都新宿区若松町10‐1 YSビル2 F
Tel. 03-3208-2543
Mail:info@scandiccare.jp
営業時間:平日. 11:00 ~ 21:00、土日祝. 11:00 ~ 20:00
公式HP
アー・ドライ治療院(新宿区)
ホームページ未公開。2020年3月現在、新規受付はできない状況です。スカンディックケアにお問い合わせください。
取材/光成耕司