「猫背」改善・予防のエクササイズ
前回、‟猫背ウォーク”と‟反り腰ウォーク”のそれぞれの特徴、また、歩くことは日常生活や社会生活において必須の移動手段ですから、不良姿勢のまま歩き続けることは結果的に悪癖を日々強化してしまっていることになる、と述べました。
つまり、猫背や反り腰で歩くことは、みずから幸せを遠ざけてしまっているということなのです。
そこで、今回はそれらに対する改善策について紹介したいと思います。まずは猫背を正していく方法から。
■姿勢チェック
まず、壁に背中をつけて立ってみましょう。その際、骨盤が後傾し壁から頭が離れ、かつ前に垂れていれば、正真正銘の猫背(写真1)に分類されます。正しい姿勢(写真2)と比べてみてください。
なお、チェックする際には、よい姿勢を心がけようとせず、あくまでも自然体、現状を知るために決して力んだりせずありのままの状態で臨むことがポイントです。
■猫背改善エクササイズ
一方の手を上に挙げ、もう一方の手を後方にそれぞれ伸ばしていきます(写真3)。次に、手を入れ替えて同様に(写真4)。カラダの前半面にある屈筋群を左右バランスよくストレッチしていくのです。
次に、両手を頭上に伸ばします(写真5)。その際、伸ばした腕が耳に当たるように真っ直ぐ頭上に伸ばすことがポイント。さらに、このポジションから両手を後方に伸ばしていきます。
伸ばしたとき、両手の甲をつけるようにすると、よりストレッチ感が高まります(写真6)。
猫背の人の場合、両腕を頭上に伸ばしたときに前方に傾きがちで、真っ直ぐ頭上に伸びきらないケースが少なくありません。したがって、このように3段階でアプローチしていくことによって、胸郭、肩前面を心地よくストレッチしていくことができるでしょう。
猫背の人の歩き方の特徴に、歩幅が狭いことが挙げられます。急いでいるにもかかわらず、思ったほどには進んでいない。これは疲れやすい歩き方の典型でもあり、したがって、歩数を重ねるにつれてピッチも必然的に落ちてきます。
すると、ますます猫背が強化されてしまうという悪循環に。だからこそ、まずは上体前半面の短縮を解き放つことによって、猫背から脱却するよう、生活の合間合間に、写真のようなストレッチで日々のコンディションを整えておきましょう。
山本康子(やまもと・やすこ)
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、コンディショニングセラピスト。施術キャリアは30年。日本代表チームのトレーナーとしてトップアスリートのボディコンディショニングを手掛けてきた。その間、約6年に渡り外国人トレーナーと共にヨーロッパなど各地を転戦した経験によって、日本にはないスピリットを強く感じ、施術テクニックはもちろんのこと、人として現在もなお進化すべく努力を続けている。2004年に、アー・ドライ治療院、2013年に筋膜リリース専門のスカンディックケアを開業。施術者の育成と労働環境整備にも力を注ぐ。
Scandic care (スカンディックケア)
〒162-0056 東京都新宿区若松町10‐1 YSビル2 F
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取材/光成耕司