サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。第33回は、バルクアップ時の食事の回数について。
■3度の食事に補食をプラス
トレーニーにとって食事はトレーニングと同様に重要なファクター。その内容や回数などにこだわりを持っている人も多いでしょう。
食事の回数は生活強度やトレーニングの内容など、個人差もあるので明確には言い切れませんが、基本的には少量多頻度がいいと思います。一般的に朝食は相当食べていると思っても、さまざまな理由から足りない傾向にありますし、それをカバーしようと目一杯に昼食を食べても、胃腸のキャパを超えていればムダな部分が生まれてしまいます。
3度の食事をしっかり摂ることが基本ですが、とくに朝食はたくさん摂って夜は食べ過ぎないように、朝は高タンパク、昼は低脂質、夜は低糖質を意識するといいでしょう。その前提の上で、間食(正確には補食)を取り入れていきます。
補食はミールリプレイスメント(食事の代わりになる栄養素を含むサプリメント)を活用すると精度が上がりますが、おにぎり+プロテインや、バナナ+プロテインといった組み合わせでも十分です。これを一日の中で2~3回ほど取り入れると結構な摂取カロリー増につながり、バルクアップ的には理想的な栄養状態になるでしょう。
以前、どうやって入門したての10代のプロレスラーの体づくりをしていこうかと、あれこれ試行錯誤したことがありました。若いので、多少無理矢理でも食べさせるというのが従来のやり方で、それはそれで結果的に体がどんどん大きくなっていきます。
ところが、胃腸が弱くすぐにお腹を壊してしまい、その方法ではうまくいかない練習生がいました。そこで、彼にはミールリプレイスメントを一日で8回ほど飲ませ、その代わりに一度の食事は無理のない、いわゆるキャパの範囲内にしたのです。やがて彼は、私がジェラシーを抱いてしまうほど、見事にビルドアップした肉体へと成長していったのでした。
8回は極端な例ですが、このように3度の食事を整えた上で、補食を取り入れるのは効果的だと思います。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。