【マッスルゲート神戸】2冠達成の関西学生王者・宇佐美一歩。勝利の裏にライバルの助け船




10/31(土)に神戸芸術センター 芸術劇場にて開催された『マッスルゲート神戸』で、宇佐美一歩がボディビル のジュニア(23歳以下)と65kg以下級の2クラス制覇を達成した。
宇佐美は、2018年の全国高校生ボディビル選手権で優勝し、大学生となった昨年は、1年生ながら関西学生選手権で各部位別審査を含めた完全優勝を達成。全日本学生選手権では4位となったが、2位、3位はすでに卒業しており、言わずと知れた相澤隼人に次ぐ存在として学生ボディビル界で大きな注目を集めている。

彼にとって今年唯一の大会エントリーとなったこの『マッスルゲート神戸』では、本人が「バックステージで他の選手を見ていても、2位ぐらいかな……と正直思っていた」と話すように、65kg以下級では2位の皆川大地と合計得点はわずか2点差の薄氷の勝利。残念ながらオーバーオール審査では神田優作の後塵を拝して2位となったが、「関西に宇佐美一歩あり」というのを改めて示す大会となったのは間違いない。

そんな宇佐美は大会後、とあるエピソードを教えてくれた。

「実は、決勝でのフリーポーズはヒビキが考えてくれたものなんです」

ヒビキとは、『マッスルゲート福岡』にて宇佐美と同様にジュニアと75kg以下級の2冠を達成した、九州に住む濱崎響のこと。前述の高校選手権では濱崎が2位となっており、その後、SNSなどで頻繁に連絡を取る仲になったと言う。

「マッスルゲートに向けた減量がキツくて頭が回ってなくて、大会数日前になってもフリーポーズのことを考えられていませんでした。響はフリーポーズを考えるのがすごい上手で、自分はとりあえず曲だけ選んで、それに合わせたもの考えてもらったんです。ビデオ通話で実演してもらいながら教えてもらい、前日に必死に覚えたものでした」

大会前日に練習したというフリーポーズのメモ

関西と九州、場所は離れていてもつながっているライバル関係。来年の大会では、2人がオーバーオールで並んで頂点を争う姿が見られることを期待したい。

取材・文・撮影/木村雄大