5/3(月・祝)、東京・浅草橋ヒューリック ホールにて開催された「第29回東京ノービスボディビル選手権大会」(旧東京オープンボディビル選手権大会)のミスター75kg以下級で、柏原健太が同大会初優勝を果たした。
柏原は、多くの人が周知のとおり、「コアラ小嵐」の名で活躍する筋肉YouTuberだ。イケメンでムキムキボディ、さらに関西出身らしい軽妙なトークをベースにした動画投稿で、男女問わず幅広い世代から人気を集めている。
大会前日にも動画を投稿。「もうやることがねぇ……。今日大会でいい……」と、コンテストに向けた調整が順調であることをほのめかせていたが、その裏には、昨年のコロナ禍での生活の反省が生かされていたようだ。
「去年は家からあまり出ない生活をしているうちに、全然体重が落ちない状態になってしまったんです。去年の東京オープン選手権は中止になりましたが、そこに向けての減量の時期に、一番体重が落ちなくなっていまい、かなり苦しみました。でも、その苦労があったことで、『あ、人間らしい生活をしなくてはいけないんだな』と気づくことができたんです」
ボディビルダーというのは普段から食事に意識を向け、時には過度の制限により体調を崩してしまうこともあるだろう。柏原が気づいた「人間らしい生活」とは、そういうところから少し離れ、あくまで“一般人”とほぼ同じ生活の中で、調整を進めていくことだった。
「今年に入ってからは、減量において“丁寧な生活”というのを自分の中のテーマとして掲げています。食事に関して言えば、とにかくバランス良く。野菜、果物、肉、卵、乳製品、発酵食品……片寄ることなく、全てをバランス良く食べる。あとは、外に出て陽を浴びる、人とも会話する……とかもですね。去年の反省を生かして改善したことで、減量が順調にいくようになりました。今日のコンテストでも、サイズだけなら自分より大きい人はいましたが、その中でも優勝できたのは、絞りの部分が良かったのかなと思います」
決して無理はせず、あくまで自分のペースで減量を進めた結果の優勝は、多くの人にとって参考にもなるはずだ。
「ほんと、最後のほうまで実はお酒も飲んでいたんですよ。食べ物も、あまり苦しい思いをしなかったですね。根本的な“健康”というところを大事にした結果、すごく減量が楽にもなって、こういう結果につながりました。これだったら、普通に家庭があって、家族と一緒にご飯を食べながらでもできるのではないかという可能性を感じることもできました。ボディビルの大会に出ることは、ストイックで、何もかも投げ出して、欲望も捨てて集中してやらないと出れないものだと思っている方がもしいたら、そうじゃなくてもできるかもしれないよと、僕が優勝したことで伝えられるかもしれません。本当に、減量においてはまったくストイックではなかったですから」
晴れて東京ノービスを制した柏原。「これでもう東京オープン(今大会の旧名称)は卒業。次は東京クラス別ですかね?そこに出場できるようにまた身体をつくりつつ、お酒も嗜んでいこうと思います(笑)」と、また次の目標に向けて、新たな一歩を踏み出している。
取材・文・写真/木村雄大