「筋トレをしている男性向け」という印象が強かったプロテインだが、近年は女性からも注目が集まっている。女性のプロテイン摂取について、管理栄養士、アスリートフードマイスター、腸内フローラ検査アドバイザーとして活躍する牧春菜さんにお話を伺った。この頃、「女性の低栄養」が問題になっていると語る牧さん。忙しく働く女性が増える中、プロテインは健康を支える手段となり得るのか。
――牧さん自身、プロテインを摂取して良かったこと、変化を感じたことなどはありますか?
牧 私は管理栄養士なので日頃より栄養バランスを考えながら食事をしていたため、実は以前はあまりプロテインは摂っていなかったんです。でも仕事などで忙しくなって、昼食の時間がずれてしまったり、食事を摂れないことが増えてきてしまったりして……。
そんな中で、なんとなく飲んでいたジュースやコーヒーをプロテインに置き換えようと思ったのが、摂取するようになったきっかけでした。実際にプロテインを摂ってみると、翌日の疲れが全然違って、驚いたのを覚えています。
――男女関係なく摂取すべきものだとは思いますが、特に女性にとっての摂取のメリットはありますか?
牧 タンパク質という栄養素は、筋肉だけでなく、爪、髪、肌、女性ホルモンなどの材料になります。そのため、不足すると筋肉量が増えないとか、お肌が荒れてしまうことにつながる恐れがあります。そういった面では、美容への意識が高い女性に特にメリットがあると思います。
それから、摂取が手軽という点では女性にとって大きいのかなと思います。女性は太りたくないと思う人が多いため、あまり食べない傾向にあります。近頃では、忙しくて食事はコンビニで済ませたり、食べないという選択肢を取ったりする人が多いのも現状です。
その点、プロテインは手軽に摂取できるもので、タンパク質以外の栄養素も豊富に含まれているものもあるので、ぜひおすすめしたい商品です。
――手軽に栄養を補給できるというのは嬉しいですね。ただ、マッチョになりたいわけでなく、スタイルが良くなりたいという人にもプロテインは有効なのでしょうか?
牧 有効だと思います。プロテインは決して筋肉増強剤的なものではなく、タンパク質という身体に必要な栄養素のことをプロテインと言っているだけです。だから、プロテインを飲んだり食べたりするのは、必要な栄養を摂取する方法の一つなんですよ。
筋トレの効果アップのために摂ってもいいですし、朝食を少量しか食べられなかったので補助としてプロテインを摂るとか、そういった活用をしても良いものです。ただ注意点として、過剰摂取に注意すること。プロテインの中には高カロリーのものもあるので、多量の食事と合わせて摂取すると太りやすくなるかもしれません。
あくまで不足した栄養を補うイメージで、タイミングを見計らっての摂取をおすすめします。
――ちなみに、女性におすすめのプロテインはありますか?
牧 大豆の栄養分でつくられている、ソイプロテインなどがおすすめです。大豆の栄養分が女性ホルモンと似ているので。
あとは、VITUP!さんで以前に紹介されていた、AuB MAKE(オーブメイク)というプロテインを私は愛飲しています。腸内環境を整えることができる成分が配合されているので、お通じが良くなって身体が軽くなりましたね(笑)。味のバリエーションや含まれる栄養素もさまざまあるので、自分に合ったプロテインを見つけながら、効果を試してみると良いと思いますよ。
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多忙な現代。時間がなく、思うように食事ができない人も多い。牧さんが言う「女性の低栄養」にもそれが反映されていると言えるだろう。
そんな中で自分にあった食品を見つけ、健康を補助していくという点でプロテインは有力な手段になり得る。「忙しいから食べなくていいや」から「忙しくても食べられる」へ。手軽で栄養豊富なプロテインは、女性にとっても強い味方となりそうだ。
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◆次回は「ダイエットとプロテインの関係」について詳しく聞いていきます。
取材・文/森本雄大
牧春菜(まき はるな)
管理栄養士、アスリートフードマイスター、腸内フローラ検査アドバイザープロ。管理栄養士チーム「eat Link」の代表として、ジュニアからシニアまで幅広い層の栄養サポートをしている。腸内環境が身体作りを左右していることを実感し、一人一人の体質に合わせた食事提案を行っている。