炭水化物を含むサプリメントについて教えて【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第119回は、炭水化物を含むサプリメントの効果について。

■増量だけではなく減量中にも使える

炭水化物を含むサプリメントといえば、マルトデキストリン(MD)を配合した主に「ウエイトアップ」などと表されているプロテインが代表的です。MDはでんぷんを加水分解したもので、吸収性も高くGI値も高いため、とくにグリコーゲンリカバリーにはうってつけといえます。単に体重を増やしたい人だけではなく、逆に減量の時などにはミールリプレイスメント的な使い方も可能ですし、プロテインと比べればより食事に近いイメージになろうかと思います。

欠点とまでは言えませんが、ボリュームの割にはプロテインの配合比率が低いことが多いので、トレーニング直後のゴールデンタイムにはうってつけではあるものの、タンパク質が少し足りないということになります。その場合はMD入りのプロテインに通常のプロテインをプラスして、タンパク質の量を増やして飲むといいでしょう。

タイミング的にはまずはゴールデンタイムがおすすめで、あとは目的に応じて食間のミールリプレイスメント的に使えばバルクアップとなりますし、どこかの食事の代替として使えば完全な減量向けの飲み方となります。

またランナーや登山者に人気のジェルもまさに、ザ・糖質といったものです。あの中身も多くの場合はMDを中心とした糖質です。持久系の競技や運動には脂肪の活用が欠かせませんが、そのためにも糖質の補充が不可欠となります。手軽に確実にすぐに使えるカロリーを補充できるという点においては、非常に使い勝手のいいサプリメントであると言えます。

最後にもうひとつ、CCDに代表されるようなトレーニング中のドリンクに配合されている糖質も利用価値が高いものです。トレーニング中に水分補給は当然ですが、あとは何を入れていけるかでパフォーマンスも大きく変わっていきます。電解質やアミノ酸に加えて、CCDのように浸透圧を上げないデキストリンはイントラワークアウトドリンクとしてトレーニング中に持ってこいと言えます。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。