海パン姿とムキムキの体を駆使したギャグで人気を集めるタレントの小島よしおさん。その鍛え上げられた肉体は誰もが気になっているはず。小島さんのトレーニングの原点はどこにあり、いかにして作り上げられたものなのか?
――トレーニングを始めたきっかけから教えてください。
小島:高校時代は野球部だったのですが、2年生の時に野球部にトレーナーの方がコーチとして来たんです。それまでは腕立て伏せとか腹筋とか、部活ならではトレーニングをやっていた中で、トレーナーの方に筋トレの重要性を教わりました。たとえばベンチプレスをやると、ここの筋肉が鍛えられるから野球にはこういう効果があるというように、すごく論理的に教えていただいたんです。これがきっかけで、筋トレをやるようになりました。
――器具を使ったトレーニングはこのときが初めてだったのですか?
小島:そうです。バーベルやダンベルは野球部にもあったのですが、使い方がわからなかったのでやったことはありませんでした。でも、トレーナーの方に教わって自分にはすごくハマったんですよね。
――実際、野球では効果は出たのですか?
小島:スクワット、デッドリフト、ベンチプレスというBIG3はやっていて、パワーはつきました。高校に入った頃はバッティングがダメだったんですけど、打球が飛ぶようになって、最終的には4番で試合に出られるようになりました。3年生の春には初めて試合でホームランも打ちました。
――筋トレでパワーアップしたのですね。部活を引退した後もトレーニングは続けていたのですか?
小島:筋トレはずっと続けていました。どんなにお金がなくてもジムには通い続けていましたね。野球は高校で辞めて、筋トレだけが残りました。当時はジムもそんなにたくさんなかったので、家の近くにあったA-1というジムに行っていました。
――本当に筋トレが好きになったんですね。
小島:そうなんですよ。海パンでネタをやるようになったのも体を鍛えていて、見せても恥ずかしくないような体だったからという理由もあります。
――そもそも海パン一枚でネタをやるようになったきっかけは何だったのですか?
小島:元々は、服を一枚ずつ脱ぎながら怖い話をするというネタがあったんです。
――面白そうですね(笑)。
小島:服を脱いでいって最後は海パン一枚になるんです。実はそのブーメランパンツは、二十歳の誕生日のときにもらったものなんです。当時、母が沖縄料理屋をやっていて、常連さんが「いい体をしてるから似合うだろう」という冗談半分で、派手目なブーメランパンツをくれたんです。服を脱いでいくネタをやるときに、そういえばあの海パンがあったなって思い出して、それを着ていったんです。怖い話をしていって最後は海パン一枚になるので、ライブ会場はざわざわしてましたね(笑)。
――そうなりますよね(笑)。
小島:まずこのネタがあって、「そんなの関係ねえ」は別にできていたんです。ライブでは怖い話をしながら服を脱いでいくネタだけだと尺が足りなくて、海パンのまま「そんなの関係ねえ」をやっていました。だから『エンタの神様』のオーディションでも、「なんで海パンなの?」って聞かれました。服を脱いでいく怖い話は段々やらなくなって、海パンだけが残って、「そんなの関係ねえ」が広まったということです。
――それは鍛えていたことの副産物ですね。
小島:本当にその通りですね。鍛えていて良かったというところにたどり着きますね。そもそも鍛えていなかったら、プレゼントの海パンもなかったかもしれませんからね。
――この他に筋トレをしていて良かったことはありますか?
小島:肉体面で言うと、食べても太りにくいということです。お酒も飲みますし、好きな物を普通に食べていても、筋肉があるおかげで太りません。筋肉のおかげでこのインタビューのような仕事があるのもいいですね。他にはメンタル面でもいい効果があると思います。トレーニング中は余計なことを考えないので、無になれる時間になるし、気持ちが前向きになります。あとは筋肉があると会話が増えます。筋トレトークは話が広がります。
取材、文/佐久間一彦
写真/佐藤まりえ
小島よしお(こじま・よしお)
1980年11月18日生まれ、沖縄県出身、千葉県育ち。早稲田大学教育学部国語国文科卒。2007年に「そんなの関係ねぇ!」「おっぱっぴー」の二つが「ユーキャン新語・流行語大賞2007」にノミネートされるなど一躍人気者に。2020年からスタートしたYoutubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」が人気を集めている。