フィットネス競技の階級別王者決定戦「第8回ALL JAPAN メンズフィジーク選手権大会」が9/20(月・祝)に兵庫・神戸芸術センター芸術劇場で行なわれた。メンズフィジークのトップ選手たちが集い、年齢や身長別に分けれた全9カテゴリーで勝負が繰り広げられ、16歳以上40歳未満176cm以下級では伊吹主税が頂点に立った。
「もうビックリしました。こんなことがあるんですね……。(前回大会優勝の)佐藤綾さんと順位発表で最後の2人になったときは、2位かなぁなんて思っていました」
伊吹がそう思うのも無理はない。
約1年前の2020年11月に伊吹は同じくここ神戸芸術センター芸術劇場で行われた「マッスルゲート神戸」でオーバーオール優勝に輝き、その全国大会である「ゴールドジムジャパンカップ」でもオーバーオール優勝を果たした穴見一佐にあと一歩まで迫ってはいたが、本格的にジムでのトレーニングを始めたのは2019年から。わずか3年で、日本のトップフィジーカーの仲間入りを果たしたのだ。
「今年、7月で僕はちょうど30歳になる年だったので、“勝負の3年目”だと思ってここまでやってきました。僕の強みは、胸と肩。今日の勝因とは言わないまでも、ポイントにはなったと思います。2019年もオールジャパン選手権に出場して8位にはなりましたが、周りの選手と見比べたときにバルクが圧倒的に足りていないなと感じました。今日ステージに立ってみても、僕が出場した階級の方々はやはりバルクもあってすごいなと。自分自身もまだまだだとは思っていますが、2年前からは進化できたと思いますし、それがこういう結果につながってうれしいですね」
今大会は、階級3連覇を達成した寺島遼をはじめ、多くのカテゴリーで連覇者が生まれる結果となった。その中で着実にステップアップを重ねて風穴を開けた伊吹のような新たな王者が誕生したことは、全国各地で大会を見守ったトレーニーたちの励みになるだろう。
9/26(日)には大阪で、各階級のチャンピオンが同じステージに上がり、真の日本一を決定する「JBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS 2021」が行なわれる。伊吹も当然、頂点を目指してステージに立つことになる。
「いやぁ、寺島遼さんたちと並べるだけでも幸せですよ。でも、出るからにはしっかりと絞り切った身体を維持して、また1週間後のステージに立とうと思います」
文・写真/木村雄大