ケーキを食べるなら何がおすすめ?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第161回は、クリスマス目前ということで、タンパク質摂取や太りにくいなどの観点から見たおすすめのケーキについて。

■高タンパクを期待するならプリンやチーズケーキ

材料からこだわって、高タンパクに特化させたり低脂質を追求したりしている健康志向の特殊なケーキは除外するとして、一般的にケーキ屋さんで売られているケーキをベースに考えてみましょう。

そもそもケーキの材料は、卵や牛乳(バター)といったところがタンパク質であり、バターや生クリームが脂質で、小麦粉や砂糖が糖質といった具合です。仮にケーキに高タンパクを期待したいのであれば、卵や牛乳をたっぷりと使っているものを選べばいいことになります。その場合は、プリンやチーズケーキあたりになるでしょう。

ケーキに低脂質を求めるは少々酷かもしれませんが、必要以上の高カロリーにしたくない場合は、素材としてはチョコレートは避けておくのが無難です。「モンブランはケーキの王様なんだよ」ってスイーツ真壁(プロレスラー・真壁刀義)さんなら言いそうですが、モンブランはケーキの中でも高カロリー部門に属しますので、避けておくほうがいいかもしれません(余談ですが真壁さんとは、ほぼデビュー直後あたりからのお付き合いです)。

スイートポテトはかなりの高糖質でカロリーもタップリですから、ダイエットとは程遠い存在ですが、サツマイモの栄養素をしっかりと含んでいますので、とりわけ食物繊維は豊富です。小ぶりな大きさのスイートポテトを食べて小腹満たしをするような食べ方であれば、結果的に過食にならないかもしれません。

以前、GIダイエットなるものが流行ったことがありました。GI値の低いものを選んで食べることでダイエットができるという内容で、ショートケーキなどもGI値が低いのでおすすめですとありましたが、ここには大きな誤解が隠されています。GI値というのは炭水化物に対しての数値ですので、ショートケーキに含まれる炭水化物は少ないためそこだけを切り取って考えれば太りにくいとなるかもしれませんが、実際は脂質がタップリですから食べても太らないなどということはありえません。

個人的にはケーキはハレの日に食べる、幸せを感じさせる食べ物だと思っているので、その分のカロリーであるとか細かい栄養素を気にするのではなく、それ以外のところで調整をして思いっきり楽しんで食べるのが一番いいのではないかと思ったりします。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。