「プラズマ乳酸菌」って何?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第186 回は、コロナ禍以降よく目にするようになったプラズマ乳酸菌について。

■司令塔となる免疫細胞をプラズマ乳酸菌が活性化

乳酸菌は善玉菌の総称みたいなもので非常に多くの種類があり、正確にはそれぞれに固有の名称があります。善玉菌として腸内環境を改善するという点ではほぼ共通ですが、それぞれの乳酸菌独自の機能を持っていたりします。

プラズマ乳酸菌も免疫に働きかける独自の機能が発見され、コロナ禍においてとくに注目されています。免疫細胞とは白血球のことですが、いくつかの種類に分類されています。ざっくりと分けるならば警察的な役割を担うものと、軍隊のように強力な武器を使うものとに分けられ、さらにそれぞれに部署があって、その部署の中でも役割が細分化されています。警察でも凶悪犯を捕まえる部署と、街のパトロールをする役割といった具合に担当が分かれているのに似ているかもしれません。

そういった役割の中で単球と呼ばれる警察的役割の免疫細胞があり、さらにそれが樹状細胞という免疫細胞に分類されます。樹状細胞は外部から侵入した細菌やウイルスの情報を収集して、それを撃退するための強力な部隊に伝達するような役割が主業務です。その樹状細胞の中で、プラズマサイトイド樹状細胞という、まさに伝達の司令塔の役割をする免疫細胞をプラズマ乳酸菌が活性化させるということのようです。

他の乳酸菌も、軍隊の役割を担う免疫細胞を活性化させる機能を持つものはありますが、司令塔の役割のプラズマサイトイド樹状細胞は、軍隊の全役割(免疫細胞)に向けて情報発信をしてくれるので非常に効率がよく、また免疫が活性化しやすいということなのでしょう。乳酸菌はまだまだ未知の領域が多く、これからも新しい種類の乳酸菌や新しい機能がどんどん発見、開発されていくと思われます。薬ではありませんが、食の要素で私たちの健康を維持・増進させるという非常に期待の大きな分野だと思われます。

(参考資料)
イミューズホームページ
https://www.imuse-p.jp/


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。