リーズナブルな価格帯でおすすめのサプリメントは?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。リニューアル前の【桑原弘樹のサプリ道】から約2年間続いてきた当連載は、節目の200回をもって一旦、終了となります。最終回のテーマは、リーズナブルな価格帯の中で、とくにおすすめできるサプリメントについて。

■ビタミンC、グルタミン、ホエイプロテイン

前回(第199回)の質問同様、割安という感覚に個人差があるので一概には言い切れませんが、とりあえずビタミンCのサプリメントは値段以上の価値があると思います。2ヵ月分くらいを数百円で売っていますから、一般的にサプリメントの中では圧倒的にリーズナブルな価格と言えます。その役割としても、コラーゲンの生成を促進したり、美白だったり、抗酸化だったりと、機能が多岐にわたるのも魅力です。

そして何よりも免疫を維持するという点においては、コロナ禍にマッチした栄養素のひとつでもあります。水溶性なので過剰摂取の心配もいりませんし、副作用などの心配もまずありません。古くからあるアイテムなので、今ひとつ新鮮味に欠けるかもしれませんが、その実力を過小評価されている気すらしています。

もうひとつはグルタミンです。こちらもアミノ酸の中では比較的リーズナブルな価格です。

ビタミンCと似ているのは、機能が多岐にわたる点です。さらには免疫に密接であるという点もよく似ていますが、グルタミンのほうがより免疫に関しては機能を強く発揮してくれます。非必須アミノ酸ということで、体内で合成されるために優先順位が下がりがちですが、非常に消耗度の激しいアミノ酸のため、しばしば足りない状態を招いていたりもします。

最後にもうひとつ挙げるならば(ホエイ)プロテインでしょう。あれだけの栄養素を確実に短時間で摂取できるサプリメントは、他に見当たりません。中国が豚の飼料にホエイを使うため、あいにく原料価格が高騰してしまい、今後各社の値上げは避けられそうにありませんが、それでも競争原理が働いていることもあって純粋にコストパフォーマンスの高いサプリメントだと思います。

以上の3つはどれも食事で代替ができそうであって、じつはなかなか難しいという共通点があります。食事で完全にカバーしようとした場合、逆にコスト高になってしまったり、不要な栄養素も摂取してしまったり、非常に手間がかかってしまったりと、実際は難しいことが多いのです。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。