※本記事は2020年に投稿された記事を再編集してお届けするものとなります。
A.一定期間のトレーニングの後、筋肉維持にシフト。
細マッチョをどう定義するかにもよりますが、とりあえず“そこそこ筋肉がついていて、脂肪の少ない細い体”と定義しましょう。その場合、やるべきトレーニングは基本的にボディビルダーと同じです。筋肉をつけて体脂肪を落とした極限の形がボディビルダーですから。
ここは多くの人が勘違いしている罠なのですが、ボディビルダーほどの筋肉をつけたいわけではないからと、違うメニューをやるのは効率が悪いんです。ある程度筋肉がつくまではボディビルダーと同じトレーニングをして、イメージするレベルの筋肉がついたら、後は維持するトレーニングに切り替えていくのが効果的です。
ボディビルダーは極限まで筋肉を大きく、脂肪を落とそうとしますが、同じトレーニングをしたところですぐにあの体になれるわけではありません。ボディビルダーの肉体になるまでの途中に細マッチョの体があるので、そのレベルに達したら筋肉をさらに大きくするのではなく、維持する方向にシフトします。
細い筋肉をつけようとして、高重量を扱わず15~20回くらい挙げられるレベルのトレーニングをしていても、ほとんど効果がなく、いつまで経っても細マッチョにすらなれないという事態になりかねません。きちんと自分の限界に近い重量を扱い、もう挙げられないというオールアウトの状態まで筋肉を追い込む。そうすれば筋肉はつきますし、それに合わせて体脂肪も落ちます。
簡単に言うと、細マッチョになるためには1回ずつのトレーニングではボディビルダーと同じように筋肉を追い込み、トレーニングの期間を短くすればいいんです。そうすれば、早ければ3カ月で細マッチョになれます。その後は、筋肉を維持するためにそれまでの8割くらいにトレーニングのレベルを落とせばいいので楽ですよね。
ボディビルダーの肉体は、キツいトレーニングを長期にわたり継続してなれるものなので、その途中でやめれば細マッチョになるんです。ですから、ボディビルダーは別世界の人間と思わずに、途中まで同じ努力をするのが一番効率がいい。マッチョの体を見て「ああなりたいわけじゃない」と別のトレーニングをしていると、いつまでも体が変わらないということもありえますので注意しましょう。
岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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