――そういった方への指導は、どのように行なっていくのでしょうか。
「基本的には、対面でのカウンセリングから始めます。コミュニケーションを通して、何が摂食障害のトリガーになっているのか知る必要があるからです。また、過去のダイエットやトレーニング経験の有無も聞きつつ、『まずは何ならできそうか』を相談して、段階を踏んで改善できるよう、クライアントさんに合わせた指導をしていきます」
――自身も悩んでいたこともあり、クライアントさんからの声が励みになるのでは?
「はい。クライアントさんの症状が改善して、笑顔を見ることが大きな喜びです。指導が1クール終わると『さみらさんのおかげです!』ってすごく感謝してもらえるんですけど、実際は私が支えられています。トレーナーとしての活動はクライアントさんあってのものですから、ギブアンドギブじゃないですけど、正直テイクはいらないなと(笑)。クライアントさんにとって、少しでも光が見えるお手伝いができればと思っています」
――とても素敵だと思います! 今後、トレーナー・選手として目指す姿はありますか。
「摂食障害支援の活動を続けることはもちろん、トレーナーとして唯一無二の存在になりたいです。それには選手としての活躍も関係すると思っているので、クライアントさんから見ても説得力がある選手を目指しています。今年、SSAとプロ契約を結ばせていただいたので、プロ戦でも結果を残していきたいですね。次は12月にSSAのジャパンプロ大会があるので、そこを目指してトレーニングしていきます」
写真提供/原島さみら
取材・文/森本雄大
原島さみら(はらしま・さみら)
コンテスト選手兼パーソナルトレーナー。2020年にはSUMMER STYLE AWARDの関東大会、FINALの両方で優勝をはたす(いずれもBEAUTY FITNESS MODELにて)。自身が摂食障害で苦しんだ経験を活かし、摂食障害克復アドバイザーとしても活躍している。