バルクアップに効果的な食事回数は一日何回?




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。今回は、バルクアップ時の食事の回数について。
※本記事は、2020年に公開した記事を再編集して紹介するものとなります。

■3度の食事に補食をプラス

トレーニーにとって食事はトレーニングと同様に重要なファクター。その内容や回数などにこだわりを持っている人も多いでしょう。

食事の回数は生活強度やトレーニングの内容など、個人差もあるので明確には言い切れませんが、基本的には少量多頻度がいいと思います。一般的に朝食は相当食べていると思っても、さまざまな理由から足りない傾向にありますし、それをカバーしようと目一杯に昼食を食べても、胃腸のキャパを超えていればムダな部分が生まれてしまいます。

3度の食事をしっかり摂ることが基本ですが、とくに朝食はたくさん摂って夜は食べ過ぎないように、朝は高タンパク、昼は低脂質、夜は低糖質を意識するといいでしょう。その前提の上で、間食(正確には補食)を取り入れていきます。

補食はミールリプレイスメント(食事の代わりになる栄養素を含むサプリメント)を活用すると精度が上がりますが、おにぎり+プロテインや、バナナ+プロテインといった組み合わせでも十分です。これを一日の中で2~3回ほど取り入れると結構な摂取カロリー増につながり、バルクアップ的には理想的な栄養状態になるでしょう。

 

以前、どうやって入門したての10代のプロレスラーの体づくりをしていこうかと、あれこれ試行錯誤したことがありました。若いので、多少無理矢理でも食べさせるというのが従来のやり方で、それはそれで結果的に体がどんどん大きくなっていきます。

ところが、胃腸が弱くすぐにお腹を壊してしまい、その方法ではうまくいかない練習生がいました。そこで、彼にはミールリプレイスメントを一日で8回ほど飲ませ、その代わりに一度の食事は無理のない、いわゆるキャパの範囲内にしたのです。やがて彼は、私がジェラシーを抱いてしまうほど、見事にビルドアップした肉体へと成長していったのでした。

8回は極端な例ですが、このように3度の食事を整えた上で、補食を取り入れるのは効果的だと思います。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。