日常的にジムなどの施設に通うフィットネス人口は全国民のわずか3%で、近年は施設の数と会員数は増えてはいるものの、その割合自体はさほど変化していないと言われている。業界誌「Fitness Business」によると、アメリカのフィットネス人口は17%ほどだとか。保険制度やジム会費などが大きく異なるため単純には比較はできないが、日本人にとって“フィットネス”というものは、まだまだ馴染みの薄い存在だ。
3%の外側の世界に対して、いかにしてトレーニングの有効性を訴えていくか。日本のフィットネス業界にとって、市場を拡大していくうえでも“一般とのリンク”は大きなテーマ。その課題に、なりふり構わぬ姿勢で挑んでいるのが、VITUP!に連載を持つ「ろーず」さんが所属するメイドジムである。
トレーニングとアキバの象徴でもあるメイドを掛け合わせるという斬新にもほどがある発想は、やはり世間の目を引く力を持っているようだ。メイドさんに応援されながらトレーニングするというキテレツさを、地上波テレビは放ってはおかなかった。
去る2017年9月3日、テレビ東京の人気番組「モヤモヤさまぁ~ず2」が神田周辺のモヤモヤSPOTとしてメイドジムを紹介。メイド姿のトレーナーさんがベンチプレスを行うという破壊力抜群の映像が放送を通じて世に放たれた。
番組では三村マサカズさん、大竹一樹さん、福田典子アナがメイドジムを訪問。出迎えたトレーナーはろーずさん、meruさん、ルビーさんの3人。meruさんがお手本を見せたあとには、三村さんがベンチプレスに挑戦。メイドさんたちに励まされながら三村さんがバーベルを上げる画は、番組のなかでもかなりのインパクトを誇っていた。
メイドジム執事のせきぐちさんによると、モヤさまの放送は視聴者層とジムがターゲットとしている層が合致したこともあり、かなりの宣伝効果があったという。また、何もよりも「メイドさんたちのモチベーションが跳ね上がった」とか。ジムの外側だけでなく内側に向けても好影響をもたらした。
メイドという強烈なツールを用いて、トレーニングを一般に届けようとしているメイドジム。その挑戦は、3%の壁を少しずつ乗り越えつつある。