Q.ストレッチで間違いがちなことはありますか?【長畑芳仁のストレッチの教科書 第24回】




A.アクティブストレッチのやり方が間違えがちです。

アクティブストレッチ(動的ストレッチ)は主働筋が収縮すると拮抗筋は弛緩するという「相反神経作用」を利用したストレッチです。伸ばしたい筋肉の拮抗筋群(裏側の筋肉)に力を入れる、という意識が大切です。その意識ができていないと、「ただなんとなくやっているだけ」になってしまいます。それでは時間のムダですよね。

ただ、実際にそういった意識を持ってストレッチを行っている人は少数派です。高校の体育の教科書にストレッチ自体は紹介されていますが、そのやり方は記載されていません。だれもが知っているラジオ体操も、動作はわかっていても、その正しいやり方を習った人はあまりいないと思います。

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ストレッチのことを現場で指導している人はほとんどいません。ストレッチに関する教育が行き届いていないのが現状です。

この事実は、ここ20年ほどほとんど改善されていないから驚きです。「ストレッチ」そのものは普及しているにも関わらず、本質的な部分を理解している人はまだ少ないのです。

実際に、ストレッチをやらなかったからといって、スポーツで大きなケガを負うわけではありません。また、ストレッチをしっかりと行ったからといっても、それはパフォーマンスに大きく貢献するわけでもありません。だから、「なんとなく」ストレッチをやっている人がほとんだと思います。

ただ、筋肉が短縮した状態にあると、動きが制限されてきます。スポーツだけでなく、日常生活においても、本来動かせるはずの可動性が失われてしまいます。「スタティック」とか「ダイナミック」とか複数の種類がありますが、難しく考える必要はありません。歯を磨くような感覚で、ストレッチを生活に取り入れていってほしいと思います。