Q.腰痛のときはどこを伸ばせばいいですか?【長畑芳仁のストレッチの教科書 第14回】

A.腰痛のときは伸ばすのではなく鍛えましょう。

もちろんストレッチで症状の緩和は望めますが、すべてを緩めてしまうのもあまりよくはありません。腰痛を予防するには、ストレッチだけではなく、腰椎を安定させるために腹横筋を収縮させることが重要です。しっかりドローインさせることですね。

よく「体幹」という言葉が使われますが、「体幹を強化する」というのはかなりざっくりとした表現で、「では腹筋を鍛えればいいんだろう」と思ってしまう人もいるでしょう。じつはそれは間違った解釈で、腹筋を鍛えるよりも、体幹の深層部にある腹横筋を鍛え、機能させることが大事なのです。

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ドローインすることによって腹横筋が収縮すると、腰椎が安定し、それにより体幹全体が安定していきます。ドローインとはお腹をへこませた状態をキープするエクササイズです。このときに使われているのが腹横筋です。

つまり、腹横筋は日常的にはお腹をへこませることで鍛えられます。基本的な練習の第一歩として呼吸を吐いたときに、お腹をへこませることから始めます。横隔膜は、息を吐いたときにへこみます。そこからさらにお腹をへこませることで、腹横筋を収縮させていきます。

正常な腹横筋は「締まって」「緩んで」といった働きをします。その働きが失われると腰痛を引き起こしてしまいます。ドローインで腹横筋本来の働きを回復させることは、腰痛の予防、緩和につながっていきます。

股関節や胸椎、肩甲骨などを動かす筋肉の多くは、腰椎骨盤帯というところに付着しています。ドローインによって腰椎骨盤帯が安定すると、股関節や胸椎、肩甲骨などを動かす筋肉の付着部も安定し、ストレッチなどで腰椎を捻りすぎる、反りすぎるといった危険も回避することができます。

長畑芳仁(ながはた・よしひと)
1960年、大阪府出身。 特定非営利活動法人日本ストレッチング協会理事長。日本体育協会認定アスレティックトレーナー。 帝京大学講師。早稲田大学教育学部卒業、順天堂大学大学院体力学専攻修了。 2001年「すとれっち塾戸田公園店」開設。専門分野はアスレティックトレーニング、スポーツ科学、アスレティックリハビリテーション。リコーラグビー部など、多数の社会人・大学チームのストレングスコーチ、および日本代表ボートチームのフィジカルサポートなどを務める。「ストレッチまるわかり大事典」(ベースボール・マガジン社)「アクティブBODYストレッチ」(日東書院)など著書多数。
日本ストレッチング協会HP