一児の母、経営者の顔を持つトップモデル
栄養学の勉強やヨガ、瞑想を欠かさないオーストラリアのトップモデル、ミランダ・カー。内面からにじみ出る美しさが彼女の美ボディを作り上げている。
Sometimes, challenges and struggles are exactly what we need in our lives… May you welcome every effort, every struggle and every challenge… May you open your wings and fly!
(「時に挑戦や困難は、私たちの人生において必要なものだったりする。すべての奮闘、すべての困難、すべての挑戦を迎え入れ、羽を開いて飛び立つのよ!」)
(ミランダ・カー 『トレジャーユアセルフ』より)
日本でも絶大な人気を誇るトップモデルのミランダ・カー。モデル業だけでなく、スキンケアブランド「コラオーガニック」の経営し、最近では「スナップチャット」の創業者エヴァン・シュピーゲルとの再婚も話題となった。すべてが順風満帆のように映るミランダ。しかし、その人生の道のりは平坦なものではなかった。
ミランダがモデルの世界に踏み入ったのは13才のころ。有名ファッション誌『Dolly』のオーディションで優勝したことがきっかけとなったが、13才という若さに批判的な声が集まり、高校を卒業するまでは学業を優先していた。15才のときには、初めて交際したボーイフレンドが交通事故で命を落とし、深い悲しみに打ちひしがれる。その思いは消えることなく、彼の名を、2011年に誕生した息子のミドルネームに付けているほどだ。
そんなミランダは、2007年にアメリカ最高峰の下着ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」の広告塔である「エンジェル」に選ばれたことでブレイク。当初は自信がなく「なんで私なんかが選ばれたのだろう」とインタビューで胸の内を吐露している。それ以降、プラダやジル・スチュアート、ジバンシィ、コーチなどの世界的ブランドのキャンペーンモデルとして活躍。プライベートでは2010年に俳優のオーランド・ブルームと結婚し翌年には愛息が誕生。誰もがうらやむような家庭に見えたが、約3年後には破局している。2017年に再婚するまで、トップモデルのかたわら、女手ひとつで息子に愛情を注いできた。
モデル界での奮闘や恋人の死、スピード離婚。ミランダはどんな困難も必要なものだと受け入れ、乗り越えるべきものとして前を向き続けている。彼女が生活に取り入れているのがアファメーションだ。アファメーションとは「私の人生はもっと良くなる」など自分自身にポジティブな言葉を語りかける意識改革。ミランダの前向きなメッセージは著書『トレジャーユアセルフ』の中にも溢れ、この名言もその中のひとつだ。毎朝ヨガや呼吸法のトレーニングで心身を整え、瞑想も欠かさないミランダ。前向きな思いを作ることで、より自分自身を大切にし、日々を丁寧に過ごしている。
同書にはこんな名言も収録されている。「バラはヒマワリにはなれないし、ヒマワリはバラにはなれない。すべての花には独自の美しさがあり、それは女性も同じよ。私はみんなに自分の個性を受け入れてほしいわ」。
人生には誰にでも困難が訪れる。しおれるのは簡単だがポジティブにとらえ困難を乗り越えるとき、自分らしい美しい花が咲くのだろう。ミランダの幸せな笑顔がそう教えてくれているようだ。
文/山口愛愛