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Q.肩こりを治すにはどうしたらいいですか?【長畑芳仁のストレッチの教科書 第12回】




A.肩と頭を遠ざけてみましょう。

ストレッチの主な効果として挙げられるのは、筋肉が伸びやすくなり、それによって関節を動かしやすくなることです。関節の動きに関係してくるのは筋肉の走行方向に対する伸びやすさで、これを「縦断的な柔軟性」といいます。またストレッチには疲労により固くこわばった筋肉を柔らかくほぐす効果もあります。触ったときの筋肉の柔らかさのことを「横断的な柔軟性」といいます。

ストレッチの基本は「筋肉を伸ばすこと」です。筋肉は、その両端が関節をまたいで骨に付着しています。この両端のうち、体の中心部に近いほうを「起始」、末端側を「停止」といいます。起始と停止を遠ざける動作をすることがストレッチの基本となります。

肩がこる場合は、肩を構成している筋肉がこわばった状態にあるので、それを伸ばしていく必要があります。固くなった筋肉は筋ポンプ(筋肉が弛緩・収縮することによって血液を送り出す作業)がうまく働かず、血液の循環が悪くなります。ストレッチで筋肉の緊張を解くことで、血液の循環をよくすることができます。

© aitaku-Fotolia

肩こりに大きく関わっている筋肉は僧帽筋の上部、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋などです。これらの筋肉は上半身に起始があり、頭に停止があります。それらの筋肉を伸ばすには、起始と停止を遠ざける動作を行います。肩を下に下げて、首をゆっくりと横に倒すなど、肩から頭を遠ざける方向に伸ばしていけばいいでしょう。

長畑芳仁(ながはた・よしひと)
1960年、大阪府出身。 特定非営利活動法人日本ストレッチング協会理事長。日本体育協会認定アスレティックトレーナー。 帝京大学講師。早稲田大学教育学部卒業、順天堂大学大学院体力学専攻修了。 2001年「すとれっち塾戸田公園店」開設。専門分野はアスレティックトレーニング、スポーツ科学、アスレティックリハビリテーション。リコーラグビー部など、多数の社会人・大学チームのストレングスコーチ、および日本代表ボートチームのフィジカルサポートなどを務める。「ストレッチまるわかり大事典」(ベースボール・マガジン社)「アクティブBODYストレッチ」(日東書院)など著書多数。
日本ストレッチング協会HP