乳製品は消化が変わる? 川﨑先生×全力さん②【川﨑泰代の美筋食 第31回】




「走るフードコーディネーター」川﨑泰代さんに体づくり、健康づくりのための食事と栄養について教わる連載。先週に引き続き、川﨑先生と全力さんの対談をお届けします。


川﨑 全力さんは、食事バランスガイドを見たことありますか?  逆三角形になっていて、一番上が主食、その下に副菜、主菜、牛乳、乳製品というコマがあるんです。ご飯があって、メインディッシュがあって、野菜があって、牛乳・乳製品や果物等が一つのプレートになっているのがバランスの取れた食事っていうんですね。でも一気には摂れないから、今日一日で自分が、フルーツを取れていないとか、乳製品を取れてないなとかトータルして考えていくといいと思いますよ。

出典:厚生労働省

全力 チーズとかヨーグルトなどの乳製品は消化が変わってしまうと聞いたんですけど、摂っていいんですか?

川﨑 バランス食として摂るなら大丈夫です。3食すべてヨーグルトを摂る必要はないので、どこかのタイミングで摂ってもらえれば。

全力 それは試合当日の朝でも大丈夫なんですか?

川﨑 ヨーグルトを食べてお腹が緩くなることがないなら大丈夫ですよ。時々牛乳・乳製品を摂るとお腹が緩くなる方がいるので、そういった場合は試合前は止めた方がいいですね。

全力 了解です。朝カレーと一緒に摂ったほうがいいものはありますか?

川﨑 レトルトカレーの中に、肉や野菜が少ないと思うので、そういったものを一緒に摂るようにしたらいいですよ。コンビニも上手く使ってサラダや肉や魚のお惣菜をプラスするなど。

全力 野菜と肉ってどっちが重要ですかね。

川﨑 そこもバランスです。どちらも重要です。もしスタミナや疲労回復効果を高めたい場合は豚肉はオススメしていますし、減量が目的であれば、鶏のささ身とか、胸肉などの高たんぱく低カロリーのお肉をオススメします。またバランスよく、野菜も摂りましょう。ビタミンの多い野菜類は、免疫力を上げる効果も期待できます。それから意外と摂れていないのが鉄分だと思うのですが、いかがですか?

全力 あぁ確かに…。

川﨑 鉄分を摂るにはレバーやひじきがおすすめですね。もしカレーがあって、野菜を摂らない、お肉が入ってないのであれば、ひじきの煮物をプラスするとか、ほうれん草のお浸しをプラスしたりするといいと思います。女性ばかりでなく、男性も鉄分を取れていない方が多いと思います。

全力 フルーツジュースやスポーツドリンクをカレーと一緒に摂るのはどうですか?

川﨑 フルーツジュース、いいと思います。朝摂るといいですね。お食事のときはスポーツドリンクを飲むよりも100%の果物系のほうがいいですね。

全力 そこにゼリーやヨーグルトも合わせたほうがいいということですか?

川﨑 バランスを考えて、ヨーグルトにプルーンとかドライフルーツを入れたりすると、それが鉄分も摂れ、乳製品も摂れます。ゼリーは運動前のほうがいいですね。

メモを取る全力さん

全力 和菓子がいいと聞いたことがあるんですけど、それは本当ですか?

川﨑 洋菓子は意外とクリーム系などの脂肪分が多いものが使われています。それに比べて和菓子はカロリーも低く脂肪分の少ないですよ。洋菓子、和菓子はよく食べるのですか?

全力 うーん、試合の2日目からは控えていますね。試合の翌日とか終わったあとは食べちゃいます。

川﨑 試合前に控えるのはいいですね。私も選手達に食事の指導するときは、「絶対にこれは食べてはいけない」ということは言わず、やっぱり好きなものとか食べたいものを我慢するとその反動って絶対にいつかきちゃうんですよ。ただ、スナック菓子類は栄養は摂れず、お腹を満腹にするためのもの。ただ食欲を満たすだけなので。そこは理解してもらっています。

全力 栄養ではないと。

川﨑 はい。それで一食分にしてしまわないように気を付けてほしいところですね。

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川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」と言うコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。現在はサッカーJリーグU-18育成選手の食事指導にもあたっている。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
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