ハードなジム通いが楽しかった!?【しみけんインタビュー 第2回】




しみけんさんのインタビュー第2回。前回は幼少期の意外な姿やトレーニングをはじめたきっかけ、そして「ボディビルの神様」と呼ばれる小沼敏夫氏との出会いについて語ってもらった。今回は本格的にトレーニングに取り組むようになった中野のゴールドジムでの思い出話。

ジム通いが楽しくて仕方なかった

――通い始めた頃の中野のゴールドジムはどんな雰囲気でした?

しみけん 当時その近くにボディビルの名門ジムがあったんですけど、そこが再開発で取り壊しになったんですね。それで、通っていた人たちがゴソッと中野のゴールドジムに移動してきたんです。

――ストイックな人たちが集まっていたんですね。

しみけん 小沼さんに出会ったその足で初めてジムに足を踏み入れて最初に目にしたのが、クマみたいな男が地面に寝転がって「足に火が付いたみてえだよ~」って叫んでいる光景だったんです(笑)。その奥では、おそらく24~26kgのダンベルで「ゴージャス、ゴージャス」って言いながらアームカールをやっている人や、「気持ち良い~」って言いながらインクラインベンチやっている人がいたりして(笑)。そんな環境にドップリハマりましたね。

――それは何歳の頃ですか。

しみけん 23、4歳くらいのときです。

――それまでと全然違う環境に足を踏み入れたんですね。普通なら萎縮すると思うのですが。

しみけん いや、楽しかったですね。いま思えばアップにもならないですけど、当時僕はまだスクワットを80kgでやっていたんです。それを見たボディビルダーさんたちが、「今日は腕のトレーニングか?」って言ってきたりして(笑)。いじられるんですよ。本当に楽しかったですね。

――そこにはどれくらい通われていましたか?

しみけん 9年ですね。

――では中野に通われているときに、東京オープンにも出られたんですね。

しみけん そうです。一番体重があって重量をあげていたのもその頃でした。

――すごい環境にたまたま入られたと。

しみけん 通い始めて、やはり「鰯の頭より鯛の尾っぽだ!」と痛感しました。中途半端なところに通っていたら中途半端な人しかいないけど、トップのところに入ったら、やっぱりモチベーションがあって、ひっぱられる。だからこれから通おうと思っている人は、そういうジムに行ったほうが良いと思います。


――ジム自体に通われる頻度も増えました?

しみけん 増えました。「今日どんな変わった人いるんだろう」って思ったら、もう楽しくて。「月曜日だから『足の日』だな~」とか考えると、ワクワクしました。

――メニューはジム仲間で決めていたのですか?

しみけん いや、一部の人のあいだでです。そうやって決めていると、みんなで補助しあえるんです。レッグプレスに女の子乗せて「中野祭りだ~ウワー」ってやったりして(笑)。女の子を三人くらい乗せて、ワッショイワッショイってやるんですよ。いや~あの当時のジムは本当に面白かったです。今はそういうのがダメになってしまいましたからね。

(続く)

取材・文/安多香子

写真/中田有香

意外なトレーニング遍歴を語る【しみけんインタビュー 第1回】