子どもの運動能力アップ! ゴールドキッズメソッド②バランスボール編




全国ナンバー1の実績を誇るレスリングクラブ「ゴールドキッズ」が子どもの運動能力をアップさせるために実践している“ゴールドキッズ・メソッド”。今回のテーマは「バランスボール」バランスボールを使ったメニューを紹介します。

指導するのは原野隼一トレーナー。トレーニングにバランスボールを持ち込んだパイオニア、アメリカ人のジェフ・ラインベングッドの「ファンクショナル・トレーニング」を日本で指導するとともに、耐久性2000kgのバランスボール(FUNXボール)の普及、販売を行っている「ファンクスアウト」代表の原野トレーナーは「子どもたちのトレーニングにはボールを使うことが最適」と力説する。

原野隼一トレーナー

「子どもの頃はアウターマッスルよりインナーマッスルを鍛えることが重要ですが。そのためにはボールを使ったトレーニングが最適です。ボールを使ってケガのリスクなく、ベースをつくることができれば、体の使い方を覚え、姿勢維持やパフォーマンス・アップにつながるのはもちろん、選手生命を伸ばすことにもなります。子どもたちが正しい呼吸法を身につけ、鍛えるべき『見えない部位』をピンポイントでイメージできるようにしましょう

 

1.【体幹を鍛える~オーバープッシュアップ】

両ヒザをつき、両手でボールをかかえる
上半身をボールの上で伸ばしていき、腕立て伏せの姿勢をとる
息を吸いながら両腕を曲げる。ボールは両足のスネからつま先。難しければ、太ももあたりで。腹圧をしめて、体はまっすぐ。左右の肩甲骨を寄せながら
息をはきながら両腕を伸ばし、もとの姿勢へ

★NG

体が反り返っている
体が丸まっている

★応用

腕立て伏せの状態から手押し車のように両手で前へ進む(ウォークオーバープッシュ)

 

2.【体幹と臀部を鍛える~ロシアンツイスト】

ボールに浅く座る
お尻を前方にズラし、仰向けになる。両足は肩幅よりやや広め。両ヒザは90度を保ち、尻が下がらないように。ボールは肩甲骨から後頭部の下。両手を真上に伸ばして組む
息を吸いながら、両手を真横に倒す。腕だけでなく、背骨の回転を意識して動く
息を吐きながらゆっくり、両手を真上に戻す。左右同数行う

★NG

骨盤からお尻がさがっている
腕だけで行っている

3.【体幹と肩まわりを鍛える~ショルダータップ】

腕立て伏せの姿勢
息を吸いながら、片手で反対側の肩をタッチする。タッチしないほうの腕は伸ばしたまま体を傾けず、腕立て伏せの姿勢を崩さない
息を吐きながら、もとの腕立て伏せの状態にもどる
息を吸いながら、先ほどの逆の手で反対側の肩をタッチ。もとに戻る

★NG

骨盤、お尻が傾いている

4.【体幹を鍛える~ボールバービー】

両足を肩幅より広げて立ち、ボールを両手で持つ
ボールを地面に置く。両手は指先を下に向け、しっかりボールを抑える
素早く両足を引く
もとの状態にもどる。テンポよく繰り返す

★NG

両手をつく位置が手前過ぎ、指先が下を向いていない
体が反り返っている。アタマの先からつま先まで一直線に

5.【下半身を鍛える~サイドランジ】

片足をボールに乗せて立つ。つま先は両足とも外側を向けて。両手を前で合わせる
息を吐きながら、ボールに乗せている足のヒザを伸ばしつま先を立てて、ボールを体から遠ざけ、上半身を真下に降ろす。ヒザはつま先と同じ方向
息を吸いながら、ゆっくりもとの状態にもどる。左右同数行う

★NG

上半身が真下ではなく、前方に傾いている
ボールに乗せた足のつま先がねている

6.【腹筋を鍛える~クランチ】

両足を開いて、ボールの上で仰向けになって、両腕を胸の前で組む。ボールは腰の位置
息を吐きながら、上体をおこす腹筋運動。腰はボールにつけたまま
息を吸いながら、ゆっくりもとの状態にもどる

★NG

ボールが背中の下にズレている

7.【腹斜筋、腹直筋を鍛える~クランチ+ツイスト】

6と同じく、ボールの上で仰向けになる。両手はそれぞれ耳の位置
息を吐きながら、上半身をおこしてひねる。脇をしめ、腰を浮かせない
息を吸いながら、ゆっくりもとの状態にもどる。左右同数行う

★NG

ヒジだけ先に行っている

8.【肩甲骨まわりを鍛える~アラウンザワールド1】

両ヒザをつき、ボールを腹の下で抱え込む
両手まっすぐ伸ばし、バンザイのポーズ
両手を開いて、息を吐きながら水を欠くように前から後ろへ大きくまわす。肩甲骨の付け根からまわすことを意識して。両手は体側に沿ってまわす
もとの位置にもどる
息を吸いながら、後ろから前へ逆回転させる。前後同数行う

★NG

アタマが下がり、ヒジが曲がっている。肩甲骨ではなく、ヒジを回転しているだけ

9.【肩甲骨、胸筋を鍛える~アラウンザワールド2】

両ヒザを立て、ボールを後頭部から肩の下にして仰向けになる。両手は下げる
息を吐きながら、ヒジを伸ばしたまま、両手を前から後ろへ体側に沿って大きくまわす
もとの位置までもどす
息を吸いながら、後ろから前へ逆回転させる。前後同数行う

★NG

お尻、アタマが下がっている

10.【内もも、腹斜筋を鍛える~アダクションサイドクランチ】

真横を向いて横になり、両足でボールを挟む。下側の足を浮かせた状態をキープ。下側の腕はヒジを伸ばして前方。上側の腕はヒジを曲げてみ、手を頭を押さえる
息を吐きながら、上側のヒジをできるだけヘソにつける。下の肩が起きないように
息を吸いながら、もとの位置にもどる。左右同数行う

★NG

上体がおきあがり、体が丸くなっている

11.【体幹を鍛え、手足の姿勢を矯正する~コアコントロール】

仰向けになり、両足でボールを挟み、両手をそえる
息を吸いながら片手を後方へ伸ばし、反対側の足をボールから放して伸ばす。ヒジ、ヒザは真っすぐ。逆の手、足でボールを支える。肩甲骨を意識して
息を吐きながら、もとの位置にもどる。手足を左右入れ替え、同数行う

★NG

ヒジ、ヒザが曲がっている

 

ボールを使ったメニューはまだまだありますが、紹介したメニューで体をまんべんなく鍛えていきましょう。

 

取材・宮崎俊哉/撮影・伊藤翼

協力=ゴールドキッズ