安定性・協調性を高めるトレーニング【鹿児島ユナイテッドFC・増成暁彦氏が語る少年期の体づくり④】




昨今、体づくりへの関心が高まる一方で、子供の体力・運動能力の低下が嘆かれている。アスリートを目指す、目指さないに関わらず、子供たちはどんな運動をすれば健康的でケガのない体をつくることができるのか。Jリーグ・鹿児島ユナイテッドFCのアカデミーでフィジカル・メディカルのトレーナーを務める増成暁彦氏に話を聞くこのシリーズ。今回は、安定性と協調性を高めるトレーニングについて。

――今回は、安定性を高めるトレーニングについて教えてください。

増成 安定性とは、要は体幹のことなので、いわゆる体幹トレーニングみたいなものは効果があります。ただ子供が家でやるメニュー……と考えると、簡単にできるのが「風船ふくらまし」ですね。

――風船を使うんですか?

増成 いろんな体勢で、風船を膨らませてみてください。自然とお腹に力が入るので、体幹の安定性につながります。意外に、大人でもできないものなんですよ。あとは、水の入ったペットボトルを上に持ち上げて歩く、これだけでも十分です。

↓↓安定性を高めるトレーニングについて、動画で紹介↓↓

――協調性を高めるトレーニングについてはいかがですか?

増成 シンプルなところで言うと、縄跳。上肢が動いて、一緒に足も動く。他には、ボールを投げるのもそうです。うまくボールを投げるためには、腕だけではなくて足も一緒に動かさなくてはいけない。利き手ではないほうでキャッチボールをやってみるだけでも、協調性のトレーニングにはなりますよ。

――なるほど。子供にとってはそれくらいシンプルなものがいいですね。

増成 あとは、これも水の入ったペットボトルを使ったものですが、座った状態でそれを持って、次第に立ち上がっていく。水が入っているぶんすごく不安定なので、それを倒れないように手のひらで保ちながら、体全体は立ち上がったりしゃがんだりといった別の動作をするんです。これも案外難しいですよ。

――このような感じで、別の動作を同時にやるというのが協調性を高めるのにつながるわけですね。

増成 そういう意味では、ダンスもすごくいいと思います。ダンスと似たトレーニングですが、ペットボトルを立てて、それを小刻みにジャンプしながらその周りを8の字で足を回してみたり。子どもたちは楽しみながらできると思います。

↓↓協調性を高めるトレーニングについて、動画で紹介↓↓

★次回は最終回、バランス力について!

取材・文・撮影/木村雄大


増成暁彦(ますなり・あきひこ)
1983年、神奈川県出身。鹿児島ユナイテッドFCアカデミーチーフトレーナー。筑波大学で、主に傷害予防トレーニングについて指導・研究を行い、2018年より現職。選手一人ひとりの心身と向き合い、体づくり、体の使い方も含めてきめ細かい指導を行なっている。

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