【はじめてのコンディショニング #01】レッグロワリング ~膝・腰への負担を軽減~




はじめまして。コンディショニングトレーナーの黒木博幸と申します。
現在、私は運動指導の専門家として、フィットネスクラブでのグループレッスンからアスリートやアーティストの体づくりのサポートを行なっています。

昨今は空前の体づくりブームであり、筋トレをはじめとする様々なアプローチ法が数多くのメディアによって紹介されていることは、VITUP!をご覧の方々であれば、すでにご承知の通りです。実際、運動指導の現場においても、健康に対する関心や意識レベルの向上によって、トレーニングに対する知識やモチベーションというものも、ここ数年で随分高くなっている、と感じています。

ところが、その一方で「ダイエットをしたい」「体を引き締めたい」「肩こり腰痛を改善したい」などの目的は明確にあるものの、「継続しているが効果を感じない」、それどころか「トレーニングで体を痛めてしまった」などの意見も少なくありません。

なぜでしょうか。

そこで、そうした方々の体をチェックしてみると、ある一つの共通点に気づきます。それはまずもって「体を動かす準備不足」であること。つまり、コンディショニングがスルーされているのです。

表題である‟コンディショニング”という言葉を辞書で調べると、「調節。調整。体や環境を整える」とあります。つまり、運動におけるコンディショニングとは、「体の機能を整える」ことです。

ヒトは居心地のいい生活環境に慣れてくると、体の動きのなかに癖という‟難敵”が棲みついてしまうもの。そして、それをそのまま放っておくと、ヒトとして本来あるべき姿勢に歪みを生じさせてしまいます。ましてや、年齢とともに筋肉も衰えてくるわけですから、難敵はますます棲み心地がよくなってくるもの。だからこそ、そういう意味でも、体づくりの第一歩であるコンディショニングがいかに大事であるかがわかっていただけるかと思います。

もちろん、どんなに優れた強靱な肉体を誇るアスリートであっても、体の機能が整っていなければケガが発生しやすくなることはいうまでもありません。

コンディショニングは、何事においても体には便利に、あるいは楽チンになった現代だからこそ、すべての人に、はじめに取り組んでもらいたいトレーニングメソッドです。体のためには、せめてこれくらいはやっておいてもらいたいな、と。

では、どのようなエクササイズがあるのか、動画をまじえて実際にご紹介していきたいと思います。

第1回目は、股関節をターゲットとするエクササイズである「レッグロワリング」。ぜひ、自宅やお仕事の合間にチャレンジしてみてください。

■レッグロワリング

【動作】


①仰向けになり左の足裏にセラバンド(またはタオル)をかけ両足を上げる。
②セラバンドはお腹に引き寄せ固定する。
③右足を腰が反らない範囲でゆっくりと下げ、反動をつけず元の位置に戻す。
④反対側に足も同様に。
左右それぞれ10回

【効果】
太ももの裏側を伸ばすことで、股関節を動かしやすくします。股関節を動かしやすくなると、膝や腰への負担を軽減してくれます。

【実施上の注意点】
・足を下げる際は、無理をせず腰が反らない範囲内で行ないましょう。
・顎を引き、動作中は姿勢が崩れないように維持しましょう。

指導=黒木博幸
協力=一般社団法人 Educate Movement Institute

黒木博幸(くろぎ・ひろゆき)
1985年⽣まれ。宮崎県出⾝。福岡医健専⾨学校卒業。専⾨学校卒業後、整⾻院で体のコンディションを整える⼿技を学び、2008 年より本格的にフリーのトレーナーとして活動をスタート。様々なトレーニング⽅法や理論を学ぶなかで、ピラティス、ヨガのボディワークに興味を持ち、ニーズに合わせたプログラム指導を提供する。現在、一般の方からアスリート、アーティストに対しての体づくりをサポートしている。NSCA-CPT(NSCA 認定パーソナルトレーナー)、Core Performance Yoga CPY® /Athlete Pilates AP™アドバンストレーナー(⼀般社団法⼈Educate Movement Institute 認定)、1ッ星栄養コンシェルジュ®(⼀般社団法⼈ ⽇本栄養コンシェルジュ協会)、ViPR 認定インストラクター。