細マッチョになるにはどんな練習が効果的ですか?




これからボディビルを始める初心者から、大会出場もあるベテランまであらゆるボディビルダーの悩みに骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。第10回は、細マッチョになるための練習方法について。

A.一定期間のトレーニングの後、筋肉維持にシフト。

細マッチョをどう定義するかにもよりますが、とりあえず“そこそこ筋肉が付いていて、脂肪の少ない細い体”と定義しましょう。その場合、やるべきトレーニングは基本的にボディビルダーと同じです。筋肉を付けて体脂肪を落とした極限のかたちがボディビルダーですから。

ここは多くの人が勘違いしているワナなのですが、ボディビルダーほどの筋肉を付けたいわけではないからと、違うメニューをやるのは効率が悪いんです。ある程度筋肉が付くまではボディビルダーと同じトレーニングをして、イメージするレベルの筋肉が付いたら、後は維持するトレーニングに切り替えていくのが効果的です。

© milatas – Fotolia

ボディビルダーは極限まで筋肉を大きく、脂肪を落とそうとしますが、同じトレーニングをしたところですぐにあの体になれるわけではありません。ボディビルダーの肉体になるまでの途中に細マッチョの体があるので、そのレベルに達したら筋肉を大きくするほうではなく、維持する方向にシフトします。

細い筋肉を付けようとして、高重量を扱わず15~20回くらい挙げられるレベルのトレーニングをしていても、ほとんど効果がなく、いつまで経っても細マッチョにもなれないということになりかねません。きちんと自分の限界に近い重量を扱い、もう挙げられないというオールアウトの状態まで筋肉を追い込む。そうすれば筋肉は付きますし、それに合わせて体脂肪も落ちます。

簡単に言うと、細マッチョになるためには1回ずつのトレーニングはボディビルダーと同じように筋肉を追い込み、トレーニングの期間を短くすればいいんです。そうすれば、早ければ3カ月で細マッチョな体になれます。その後は、維持するためにそれまでの8割くらいにトレーニングのレベルを落とせばいいので楽ですよね。

ボディビルダーの肉体は、キツいトレーニングを長期にわたり継続してなれるものなので、その途中でやめれば細マッチョになるんです。ですから、ボディビルダーは別世界の人間と思わずに、途中まで同じ努力をするのが一番効率がいい。マッチョの体を見て「ああなりたいわけじゃない」と別のトレーニングをしていると、いつまでも体が変わらないままということもあり得ますので注意しましょう。

岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。2016年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。また、日本体育大学バーベルクラブの顧問を務めており、『第54回全日本学生ボディビル選手権』(2019年)では団体、個人全てにおいて優勝に導いた。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『ビジネスパーソンのための筋肉革命 体と人生が変わる最強かつ最高のメソッド70』(KADOKAWA)、『マンガでわかる 脂肪だけを狙って落とす!除脂肪ダイエット』(ナツメ社)、『栄養で筋肉を仕上げる!無敵の筋トレ食』(ポプラ社)など著書多数。
岡田隆公式サイト
インスタグラム bazooka_okada_takashi
Twitter  @okadatakashi_AT