新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ジムや大学が閉鎖されてきたここ数ヶ月。果たしてトレーニングに勤しみ、ボディビルやパワーリフティングでの躍進を目指す学生たちは、この活動自粛期間をどう過ごしてきたのか? 緊急事態宣言も解除となりに明るい話題も増えているなか、各大学の主将や中心メンバーにインタビューを実施。今回は慶應義塾大学バーベルクラブ代表の原慶治君(4年)に話を聞いた。
今年はチーム一丸となって団体賞を狙う
――まずは、普段の活動形態を教えてください。
原:慶應バーベルクラブは2018年にできたばかりでまだ活動の歴史は浅く、今年は23人がクラブに在籍しているのですが、活動日や場所などが明確に決まっているわけではないんです。クラブの中で数人が声を掛け合って日時と場所を決めて、一緒にトレーニングをするという形で活動してきています。なので、人によっては週に4、5回くらい集まってやっているメンバーもいますが、参加頻度はまちまち、集まる人数も2~4人くらいが多いのかなという感じです。
――トレーニングをするのは、大学のトレーニングジムではなく民間のジムですか?
原:そうですね。日吉キャンパスと湘南藤沢キャンパスにはジムがあるのですが、体育会所属の部ではない僕らは使うことができません。
――そういう難しい事情もあるんですね。
原:なので、全員で集合する機会がないのはクラブの大きな課題だとは思っています。そういうこともあり、今年からは月に1、2回は定期的に集まって活動するようにしていこうと思っていた矢先に、新型コロナウイルスの影響でこういう事態になってしまいました……。一緒にトレーニングをするのが難しいぶん、顔を合わせて意見交換できる機会は絶対に設けたいと考えています。
――今は会えないぶん、グループチャットなどでコミュニケーションを取ることが多いですか?
原:そうですね。そこではいろいろ話していて。その中で出たアイデアとして生まれたのが、新歓LINEグループでの質問箱です。入部を検討している新入生者からトレーニングや増減量等の質問を募集し、部員が回答する企画を実施しています。これがけっこうたくさん質問がきて、興味を持ってくれている子は多いんだなと実感しました。
――それは素晴らしいですね。こういう状況になってはしまいましたが、その中でもポジティブに考えられることもあったんじゃないですか?
原:ポジティブと言えるかはわかりませんが、トレーニングが十分にできていない環境になったことで、今までしっかりとトレーニングができていたという環境が当たり前のことではなかったのだと、そのありがたみを感じることができました。あとこういう状況もあり「トレーニングなんてやっている場合ではない」という声も見かけて、「自分たちはいったいなぜトレーニングをするのか?」というのを考えるきっかけにもなりました。
――何か結論は出ましたか?
原:自分がやりたくてやっている、ということですね。僕はもともと体育会のソッカー部(サッカー部)の所属だったので、ソッカー部の人ともこれについて話したんです。彼らも同じく「なぜはスポーツをやっているのか?」と考えた時、やっぱり自分がやりたくてやってきたのだから、そのやりたいっていう気持ちに対して自分に嘘をついてはいけない、やりきらなくてはいけない、そういう気持ちで取り組んでいたことを実感することができました。
――なるほど。バーベルクラブとしては、昨年は大会初出場ながら多くの上位進出者を輩出しました。現状で大会が開催されるかはわかりませんが、部としても高い目標を持っているのではないですか?
原:そうですね。去年の関東学生選手権大会では、団体で4位とギリギリ入賞を逃したので、まずはそこを目指していきたいと思っています。そこには反省点もあり、出場する人数が少なかったこと、そして各自が個人戦みたいな感じで取り組んでいてしまっていたと思っています。なので、まずは単純に出場人数を増やして入賞する確率を上げること。あとは、先ほど話したように定期的に集まる機会を増やすことで、チーム一丸となって取り組めるようにしていくこと。それが直接的に入賞につながるのかはわかりませんが、そういう活動を増やしていきたいと思っています。
――そうすれば、新入生ももっとたくさん集まってくるかもしれませんね。
原:はい。うちは2018年にできたばかりのクラブということもあり、良い意味でクラブの文化とか雰囲気がまだ出来上がっていないので、新入生であっても積極的に参加してもらえれば、それぞれの色をクラブの中でどんどん出していけると思います。せひ、一緒に筋トレしましょう!
取材・文/木村雄大
【慶應義塾大バーベルクラブ SNSアカウント】
Twitter→@keio_barbell