おめーらバスケかぶれの常識はオレには通用しねえ!! シロートだからよ!!(桜木花道/漫画SLAM DUNKより)




言わずと知れたバスケットボールマンガの金字塔・SLAM DUNK。主人公の桜木花道は湘北高校入学時から話題になるほどの超問題児でありながら、ヒロインの赤木晴子の誘いでバスケットボールの世界に足を踏み入れる。

桜木は経験者揃いのバスケ部に入部すると、188cmの恵まれた体躯を活かしつつ、素人ながら超人的な身体能力を発揮。本作は、そんなバスケットマンとしての才能を開花させた桜木と、個性豊かなチームメイトが織りなす青春ストーリーだ。

作中では数々の名試合が繰り広げられ、「名言」と呼ばれる言葉も数多く登場している。今回はそんな中から、1つの名言を抜粋して紹介したい。

「おめーらバスケかぶれの常識はオレには通用しねえ!! シロートだからよ!!」

これは湘北高校バスケ部が、夏のインターハイで全国1位の強豪・山王工業と対戦した際に、桜木から飛び出した名言だ。

この試合で湘北高校は、試合残り11分20秒で22点の大差をつけられてしまう。これはバスケの試合において、絶望的な点差と言える状況だ。チームメンバーの脳裏に「負けるのか……?」という思いがちらつく中、桜木だけは諦めていなかった。

「ヤマオーは俺が倒す!」と観客に大声で宣言すると、大ブーイングを受けながらもチームメンバーを鼓舞する。「お前が簡単に言うような点差じゃない」そう先輩から言われた桜木は、間髪入れずに表題の言葉を返した。

「おめーらバスケかぶれの常識はオレには通用しねえ!! シロートだからよ!!」

この瞬間、桜木のがむしゃらさとガッツが、チームメンバーに勇気を与えた。最終的に湘北高校はこの試合に勝利するのだが、桜木の言葉がチームに与えた力は大きかったに違いない。

常識を無視したがむしゃらさが、時に力を与えてくれることもある。桜木の言葉は、大切なことを学ばせてくれる珠玉の名言だと言えるだろう。

文/森本雄大