プロテインでお腹を下しやすい人へ




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。第20回は、お腹が弱い人とプロテインとの付き合い方を提案します。

■乳糖を減らす、水で割るなど、解決策はさまざま

お腹を下す原因が何かにもよりますが、多くの場合は乳に含まれる乳糖が原因かもしれません。その場合は、大豆原料のソイプロテインにするのはひとつの解決策です。

またホエイの場合も、WPIの純度の高いものにすると乳糖はほとんど含まれていませんから、大概は解決するはずです。

でもじつはWPCにおいても乳糖はかなり削減されているのです。アカディという乳糖を減らしたお腹に優しい牛乳がありますが、恐らくホエイのWPCでもアカディよりもさらに乳糖は削減されているはずです。

灯台下暗しのケースとしては、牛乳で割って飲んでいる場合です。

子どもの頃は乳糖不耐症の人は少ないので、そのまま飲み続けて大人になって乳糖不耐症の症状が出る人もいます。子どもの頃ほどの量と頻度では、牛乳を飲まないからでしょう。プロテインを飲みはじめて毎日のように牛乳を飲むことで、お腹がゴロゴロしはじめるというようなケースが意外にあります。

水に変えれば問題ないですし、オレンジジュースや豆乳などでも乳糖は含まれていませんから、ゴロゴロの原因はなくなったことになります。

ちなみに、私はよほどのことがない限り水で割ります。摂取した栄養素を確実に把握できるという点と、水は最も手軽に手に入るからです。最近はプロテインもさまざまな味があり、その味を楽しむという点においては水で割るのは向いているかもしれません。

もうひとつ考えられるのは、プロテインを飲む量が多い場合です。これはプロテイン自体の量が多い場合もですが、水にしろ他の液体にしろ、溶かす液体が多い場合も同様です。

一度に大量に流入することで腸が処理しきれず、下痢の症状を起こす場合があります。食あたりとは違いますので、ひどい腹痛は起こりにくいですが、結果的に下痢の症状が出てくるケースがこのパターンです。

プロテインの量をたくさん摂りたい場合は、一回の量を少し減らして頻度でカバーするのも手かもしれません。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。