ジムの大事なマナー。器具の置き場所問題。【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第128回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 連日暑い日が続いております。熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

さて、ジムでのトレーニング再開からおよそ2カ月。ようやく少しずつ自分のリズムがつかめてきたような気がします。以前から書いているように、私のトレーニングタイムは平日の朝8時から。この時間帯のジムは基本的に空いているので、密になる心配はありませんでした。

ところが、ここ1カ月くらいの間は、この時間の利用者が増えていると感じています。コロナ以前は多くても5人くらいで、週に一度は利用者は私一人ということもあったのに対して、最近は少なくても5人。時には10人以上が利用していることもあるほどです。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、少しでも感染リスクを避けるために空いている時間に……と考える人が多いのでしょう。

利用時間を変えた人の影響か、ここ最近、ジムのマナーとしてちょっと気になることが立て続けにありました。ジムの利用者の方なら誰もが経験したことがあるであろう「器具の置き場所問題」です。

私はトレーニングの際は必ず腹筋ローラーを使用します。限られた時間を有効活用するため、大きい筋肉を使う種目のレスト中にローラーで腹筋を鍛えているのです。通常、腹筋ローラーはバーベルクリップなどと一緒に共用のラックに置かれているのですが、その日はいつもの場所に見当たりませんでした。周辺を探しても見つからないため、やむなく断念。しかし、帰り際に予想外のところから腹筋ローラーが発見されました。利用者個人がタオルやドリンクを置く(16枠くらいある)棚の隅っこに置かれていたのです。

この棚は共用のものを置く場所ではなく、個人の荷物を置く場所です。最後に使用した人が、なぜここにローラーを置いたのかはわかりませんが、最初にあった場所に戻せよという話です。これ以外にも「器具の置き場所問題」はあります。

パワーラックやスミスマシンのプレートの置き場所は、すべて決まっています。「〇㎏」と記載された場所にその重さのプレートを片付けるのがルール。これを適当に動かされるのは結構嫌なものであり、危険なことでもあります。

先日、ベンチプレスを行なったときのことです。ウォーミングアップとして20㎏プレートを一枚ずつつけてバーベルを持ち上げました。ウォーミングアップなので軽いはずなのに、うまくバランスをとることができません。自分の体がどこかおかしいのかと思ってすぐにバーベルを戻しました。そしてプレートを確認すると、20㎏プレートをつけたつもりが、片方は25㎏プレートになっていました。私の通っているジムのプレートは色分けされておらず、また20㎏と25㎏は直径も同じ(他のプレートは直径が違う)なので、無意識にセットしていたら、20㎏プレートの置き場所に25㎏プレートが置かれていたことに気づかなかったのです。セットしたプレートの左右の重さが違ったため、軽重量でもバランスがうまく取れなかったというわけです。

もちろん、これは私の不注意ですが、前の利用者の方が元通りの場所にプレートを戻さず、20㎏プレートの場所に25㎏プレートを戻した(しかも片側だけ)ことが、発端となっています。事故につながらなかったから良かったものの、よく見ると他のプレートも全部バラバラに片づけられており、前の利用者の方は、片付けが苦手な方なのだということはわかりました。

プレートだけでなく、ダンベルも軽いほうから並んでいる順番を平気でバラバラにする人がいます。場所や順番が変わることが気になる気にならないの問題ではなく、元の場所に戻すのはルールです。感染予防対策として、ジムの利用者の方たちは、マスクをする、消毒をする、検温をするといったコロナ対策マナーをしっかり守っている方が大半です。コロナ対策と同じく、最低限のジムのルールは守っていただきたいところ。使用した器具はしっかり消毒して、元の場所に戻す。ルールを守ってコロナにも負けないジム生活を送りましょう。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。