ランニングシューズはランナーの必須アイテム!?【令和ランニング入門 第2回】




多くの市民ランナーをサポートするクラブチーム「e-Athletes」ヘッドコーチの鈴木彰さんに、コロナ禍にも対応した最新ランニングノウハウを伝授していただくこの連載。ランニングの魅力をお教えいただいた第1回に続き、第2回は初心者が知っておきたいランニングシューズ基礎知識を紹介。近年、箱根駅伝や主要マラソン大会でインパクトを残している厚底シューズに関してもご解説いただきました。

「ランニングシューズは、他のもので代用することができない」

ランニングは、宙に浮いた状態から地面に足をつける動作をするため、足への衝撃は意外とバカになりません。その衝撃を緩和させる、あるいは吸収するクッション機能を搭載しているのがランニングシューズです。初心者の方は、スニーカーなどさまざまな靴を履いて走っていることも多いと思います。まずは安全性を確保するためにランニングシューズを購入するべきでしょう。これは他のものでは代用することができません。

最近は、ナイキの「ヴェイパーフライ」など、いわゆる厚底シューズが世の中を賑わせています。厚底シューズは、ソール(靴底)に反発力の強いカーボンファイバーのプレートが埋め込まれており、強烈な反発力で歩幅が伸びるので、飛び跳ねるような感覚で速く走ることができます。
ただ、この靴は初心者には必ずしもおすすめではありません。ランニングを始めて間もない方が最初に痛めやすいのは膝です。これはあらゆるスポーツに通じることであり、まずは着地の衝撃に耐えることが可能な筋肉をつくる必要があります。今まで走ってこなかった方が急に何㎞も走れば、衝撃に耐えられずにケガをしてしまうことがあります。積み重なった負担が勤続疲労のような形になり、炎症を起こしてしまうのが最初にしがちなケガ(故障)です。

シューズの革命が起こっている最中、一概に言えなくなってしまいましたが、基本的に初心者向けのランニングシューズは、ソールが厚めにできています。ソール=クッションという位置づけです。厚ければ厚いほど、クッションが効くので安全性を高めてくれます。簡単に言うと防具をつけているようなものです。足を守るプロテクターとして機能してくれます。あくまでも高めてくれるのは安全性です。厚いということは重いので、じつは速く走るためには適していないものです。つまり、厚くて頑丈にできているけど、重くて速く走れないのが初心者用のランニングシューズです。一方、今流行している厚底シューズも、見た感じはがっしりしていて重そうです。しかし、初心者向けの厚底とは似て非なるものになります。これを混同してしまい、初心者が厚底を履くのは非常に危険です。足がシューズに負けてしまい、その速さに足が耐えられずケガにつながってしまいます。初心者の方は違いを理解して、通常の厚くて頑丈なシューズが履くことが望ましいです。

今は全国の主要都市に行けば専門店があるので、店員さんと相談しながらシューズ選びをするのがよいでしょう。やはり個人で差がありますので、誰にでも合うシューズはありません。自分にとって一番いいシューズを選ぶのは、基本中の基本です。これは初心者に限らず、ベテランでも同じことを何年もくり返しています。目的や熟練度、足の形状などによって、知識のある店員さんと相談しながら最適な靴を選びましょう。

取材・文/高野昭喜

※第3回は、Withコロナ時代のランニングマナーを紹介!


鈴木彰(すずき・あきら)
NPO法人あっとランナー代表理事、e-Athletesヘッドコーチ。日本体育協会公認陸上コーチ。東京学芸大学教育学部卒。中学から本格的に走り始め、高校・大学・実業団を経て1989年に指導者に転身。走歴40年、指導歴は30年を超え、大学生アスリート・トップ市民ランナーから、初心者、そして中高年ランナーを多数指導する傍ら、自らも生涯現役を標榜して走り続けている。1985年に初マラソン。ベストタイムは2時間20分43秒。日本陸連普及委員、ランニング学会理事を歴任し、2001年にクラブチームを形態としたランニングスクール・e-Athletesを設立した。