サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第93回は、一日カロリーのバランスについて。
■晩ごはんはカロリー過多のケースが多い
残念ながらそのカロリー摂取のバランスでは、健康面またボディメイク的には問題ありとなります。
たとえば相撲部屋では朝稽古の後にチャンコを食べて、昼寝をしたのちに晩ごはんという主たる食事は一日2食で体をつくっていきますので、トータルカロリーの辻褄さえ合えば問題ないように思われるかもしれませんが、食事の基本は少量多頻度です。つまり、胃や腸などのキャパの範囲内で食べるようにして、一方で体内から栄養素がなくなった状態をつくらないようにするのです。
その基本中の基本が一日3食の食生活なのです。
それでも一般的には朝食の摂取カロリーやタンパク質摂取量は足りないため、午前中の体内の栄養状態は必ずしも良好とは言えません。その逆で晩ごはんはカロリー含め過多であるケース多く、これは利用される限界を超えて脂肪を溜める方向にいってしまいます。どうしても朝→昼→晩とカロリー摂取量は多くなっていきますが、元来は朝や昼の摂取量は多めで、夜は控えめのほうが摂取した栄養素は利用されやすくなります。
またプロテインやミールリプレイスメントは、3度の食事や多頻度の食事の質を上げるうえでとても効果的なサプリメントと言えます。カロリー含め栄養素は体内で利用されれば、ATP(アデノシン三リン酸)をつくり出す貴重な材料となりますが、利用されなければ脂肪として蓄積されてしまいます。今摂った栄養素がこの先利用される状況にあるのか、それともあまり使う予定がないのかをも考えて摂取量を見直してみるといいでしょう。その際に、晩ご飯は腹八分目に控えることも大切ですが、逆に朝食のシーンのようによりたくさん食べる(とくにタンパク質を積極的に摂取する)という必要も生まれてきて、もしかするとそちらのほうがハードルは高くなるかもしれません。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。