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コロナ疲れはヨガで撃退!! 心と体をヨガで健やかに【ヨガインストラクター・山内やよいの「ヨガで日本を元気に!!」vol.1】




ヨガに対して、あなたはどんなイメージを持っているだろうか。女性が行なうもの?美容のために行なうもの……?今回、ヨガインストラクターとして、アスリートの疲労回復の促進やがんサバイバーの支援など、多方面で「リカバリーヨガ」の指導を行う山内やよい先生のインタビューを全4回でお届け。第1回は、先生が実践する「リカバリーヨガ」とはそもそも何なのか、教えてもらった。

呼吸を整え、不安を取り除き、ストレス軽減へ

――山内先生はヨガの中でも「リカバリーヨガ」を指導されていると聞きました。「リカバリーヨガ」とはどういうものなのでしょうか?

山内 ヨガはその種類や流派などさまざまなものがあるのですが、私が主に指導しているリカバリーヨガは、人の精神面や体力面を回復(リカバリー)させることに主眼を置いたヨガです。少し具体的に言うと、対アスリートには、怪我の予防や早期の疲労回復、メンタルの調整に、がん患者には、治療による副作用や精神的な不安や焦燥感を軽減して、体調面・精神面を前向きにするためにバックアップする……そういうヨガですね。

――勝手なイメージかもしれませんが、ヨガと言えば女性が美容のために行なうもの……と思っていたので、医療的な側面もあるのは少し意外です。

山内 なぜか日本ではそういうイメージなんですよね(笑)。リカバリーヨガでは、アスリートには多少難度が高いポーズを行なったりしますし、がん患者の方には、まず動きよりも呼吸を重視する形でヨガを実施していただいたりと、対象や目的によって変化を付けながら実施します。一人ひとりのレベルに合わせて、無理のない範囲でやってもらうことが重要だと思っています。

――そもそも山内先生がヨガに出会ったのは、どんなきっかけだったのですか?

山内 約20年前にアメリカに住んでいたのですが、そのときに子供を出産したことで体重が増えてしまって。これはいけないと思い、ジムで毎日走りはじめたのですが、週100kmくらい走っていたことで、関節や筋肉だったり、全身のあちこち痛くなってしまったんです。そこでジムのトレーナーさんに相談したところ、ヨガをオススメされたのがきっかけですね。走る練習とヨガを並行して継続したところ、初めて参加したフルマラソンでは体をいっさい痛めることなく完走できたんですよ。

――それはすごい!自身がヨガを続けながら、今度は教えるほうにも広げていくわけですよね。

山内 「一般の人たちって疲れている人が多いのでは?」と、ふと思いはじめたんですよね。それと同時に、「眠りの質が悪い」とか、「体は元気だけど眠れない」という話をよく聞くようになって。疲れている原因は睡眠にあるのではないかと思うようになりました。私自身、ヨガを行なうことで深い呼吸ができる体を手に入れて、それによって自律神経が整い、結果的に良質な睡眠を手に入れられることを実感していました。なので、その事実をさまざまな人に伝えたいと思い、リカバリーヨガをお伝えするようになりました。

――なるほど。ただ、昨年はコロナ禍ということもあり、インストラクターとしてヨガを教えることに難しさを感じることも多かったのではないですか。

山内 そうですね。他のインストラクターの方と同様、オンラインでのヨガ講座が中心となりました。相手の反応が見えにくいなど、対面で行なうとの違って難しさはあったのですが、アスリートや体育会に所属する大学生など、多くの方が参加してくれました。活動自粛期間が明けてすぐに練習に入ると怪我をする可能性が高くなるので、怪我をしないしなやかな体づくりを伝えるのを意識していました。難しさは感じつつも、寝る前に行なうヨガであれば、すぐに布団に入れるというオンラインならではの利点もあったので、そういう点を今後も生かしていければいいなと思っていました。

――アスリート以外の一般の方向けの講座も実施していたんですよね。

山内 コロナ禍ということで、ストレスがたまる生活を送っている方も多くいらっしゃったので、そういう方にもヨガはオススメということで、講座を開かせていただきました。

――いわゆる、「コロナ疲れ」というものですよね。

山内 そもそもコロナ疲れというのは、将来への不安や、友人や家族に会えない人間関係への不安など、さまざまな不安が積もって、ストレスがたまることで発生するもの。これを解消するために、ヨガの動きと呼吸法を実施して自律神経の乱れを整えることで、体と心の不調を改善できます。去年に比べればコロナの状況は改善しつつありますが、まだまだコロナ疲れを感じている方もいらっしゃると思うので、ぜひ実践してみてほしいと思います。

次回は、ヨガの魅力についてより深く聞いていきます。

取材・文/中野皓太 写真/木村雄大

山内やよい
早稲田大学グローバルエデュケーションセンター/杏林大学保健学部非常勤講師。
2006年より、主宰のヨガ教室を開きながら、母親と子どもの健康について都内幼稚園・小学校等で講演活動を行う。その後、都内フィットネスクラブのトレーナー兼所長として、高齢者や障がい、既往歴のある方への運動支援にも取り組む。現在は、大学で教鞭をとる傍ら、国内トップアスリート、学生アスリートのリカバリーサポート、がんサバイバーのレッスン、障がいの者向けのレッスンや、企業向けの講演など、ヨガと瞑想、人の健康についての啓蒙活動に取り組んでいる。
【資格】
・博士(スポーツ科学)
・健康運動指導士
・介護予防運動指導員
・全米ヨガアライアンス認定講師
・国際総合生活ヨガ指導員
・龍村式指ヨガインストラクター 他
【最近の活動】
・湘南ベルマーレトップチームヨガ指導
・早稲田大学水泳部競泳部門ヨガ指導
・早稲田大学ア式蹴球部(男子/女子)ヨガ指導
・亜細亜大学駅伝部リカバリーヨガ指導
・ラグビートップリーグ選手ヨガ指導
・前立腺がん/乳がんサバイバー向けヨガクラス
・病院医療従事者向けヨガクラス
・その他、ヨガのオンラインクラス指導 他

ヨガだけどヨガとは言わない。積極的に取り組んでもらうために【ヨガインストラクター・山内やよいの「ヨガで日本を元気に!!」vol.2】