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甘いものを摂ると脳が働くというのは本当?【桑原弘樹の栄養LOVE】

サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第106回は、甘いものを食べると脳が活性化するという説について。

■使われない糖は脂肪に回されてしまう

ブドウ糖(果物に多く含まれている糖類)は脳の主要なエネルギー源ですから、しっかりと糖質を摂取しておくことは脳の活性化の基本と言えます

たしかに糖質制限などをするとケトンという脂肪の代謝物がつくられて、それが脳のエネルギーとしても活用されますが、脳が動かないという究極の緊急事態を避けるための非常手段でもありますから、やはり主役はブドウ糖であると考えるのが自然ですし、実際に絶食のような糖質が補給されない状況においては、糖質以外から糖新生などによって約3割はブドウ糖が脳のエネルギー源として使われています。

ただし誤解してはいけないのは、すでに十分なエネルギー源が充足されているのにさらに甘いものを与えるという状態は、必ずしも脳の活性化にはつながらないということです。むしろ使われない糖は、脂肪へと回されてしまいます

また、低血糖は単に糖の摂取が足りないという理由以外にも、逆に糖の摂り過ぎによってインスリンやグルカゴンなどのホルモンのバランスが悪くなって起きてしまうケースも多いのです。脳にエネルギー源が足りないような時には、単純炭水化物が多く含まれる甘いものを摂ることで脳が働くということは起こりえますが、逆に十分にエネルギー源としての糖質が補充された状態でさらに甘いものを食べても、脳の活性化はあまり期待できないでしょう。

糖質はお金に例えるならば、普通預金やATMのような存在です。使い勝手がよく、大概のエネルギー源としてすぐに活用されます。甘いものは、その中でもさらにすぐに使うことができるスマートカードやペイペイのような存在と言えるかもしれません。

しかし、貯えるための適量には限界があり、それを無視して貯めようとしてもキャパを超えて溢れてしまいます(すべて定期預金に回されていくイメージ)。足りなければ弊害が大きく、しかし過剰でもマイナスを生んでしまうという具合に、意外にも悩ましいのです。スマートカードのようにすぐに使えるという特徴を活かして、摂る量を調整する以上にしっかりと使うことを意識してやると、うまくバランスが取れるでしょう。脳も筋肉もしっかりと動かそう!です。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。