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「炭酸飲料を飲むと骨が溶ける」という噂の真相【桑原弘樹の栄養LOVE】

サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第130回は、その昔、都市伝説的にささやかれていた「炭酸飲料を飲むと骨が溶ける」という噂について。

■現実的に起こりうるはずはない

私も子どもの頃に、よく親に言われた思い出があります。本当に信じて言っていたのか、炭酸飲料ばかり飲まないように脅かしていたのかは定かではありませんが、カップヌードルは石油でできているなんて噂話も当時はよくされていた記憶があります。

もともと、ウナギと梅干しとか(←どちらも大好物)、天ぷらとスイカとか(←どちらも大好物)、食べ合わせ的な言い伝えがあるくらいですから、その極端な例という見方もできますね。もっとも今でもプロテインを飲むと身長が伸びなくなるとか、肝臓を壊すなんて本気で思っている人もいるくらいですから、いつの世にもNG的なあるあるは存在するのかもしれません。

炭酸飲料で骨が溶けるという根拠は、骨や歯はリン酸カルシウムが多く含まれていますが、酸に溶けやすい性質があるため、実際にコーラに魚の骨を長時間浸けておくと骨が溶けていきます。でも、これはお酢でも同じ現象が起きます。

もうひとつは純粋な炭酸水以外には、酸味のためにリン酸が含まれていて、それが血中のカルシウムと結合してリン酸カルシウムとなり排泄されてしまうという理屈です。血中のカルシウム濃度は非常に優先順位が高いため、それを維持しようと骨や歯からカルシウムを流出させて調整するというものです。これも加工食品やスナック菓子に含まれるリンでも同じ理屈になります

極端な話をすればそういったことになるのですが、実際に炭酸飲料を何時間も口に含み続けるわけではなく、一瞬にして通過していくわけですから現実的には起こりうるはずもありません。逆に炭酸飲料は乳酸と結びついて疲労回復につながったり、胃を刺激して食欲を増進させたりとメリットもあります。気をつけるべきは、カロリーがある飲料の場合はカロリー過多の部分ではないでしょうか。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。