「心身統一合氣道に衝撃を受けました」
―心身統一合氣道を始めるきっかけは何だったのでしょうか。
「8000m峰6座を無酸素で登頂されている登山家の小西浩文さんという方がいらっしゃるんですけど、その方とお話をさせていただくとすごく勉強になるんです。その小西さんのホームパーティーに参加させていただいた時に心身統一合氣道の小堀智則六段がいらっしゃって、基本的な立ち方とか技を教えていただきました。その時に『なんだ、これは』と衝撃を受けて、10年前くらいから少しずつ習い始めたというのが経緯です」
―それまで感じたことがないような感覚だったのでしょうか。
「いえ、逆に試合中に感じた感覚と似ていたので驚きました。秋山(賢治)選手との試合(2001年、フロントチョークで一本勝ち)や佐々木有生選手との試合(2001年、アンクルホールドで一本勝ち)は『もうクタクタで動けない、どうすればいいんだ』という状態から、急にリラックスしてスルスル動いてパッと極めて勝ったという試合なんです。なんか不思議な力が働いて、それを当時はヘブンと表現していたんですけど、みんなが言うところのゾーンに入るという感覚でした。あの感覚はいったい何だろうと思っていたんですけど、心身統一合氣道を体験した時に『これだ、似ている』と思ったんです」
―公園でのトレーニングの後にも、ベンチに座って精神統一をされていましたね。
「あれが心身統一合氣道の心を静める呼吸法です。今まではパンクの精神でムチャクチャに飛び込んで、めちゃくちゃやってケガをしたり、そういうこともありました。若いうちはそれでいいと思うんですけど、今は力を正確に使おうということで心身統一合氣道を学ばせてもらっています。氣と心のトレーニングを続けることで、先日は弐段をいただきました。この感覚を総合格闘技に融合させたいという思いで、今は練習に取り組んでいます」