※本記事は2017年に投稿された記事を再編集してお届けするものとなります。
そう考えること自体が浅はかです、喝!
まずはダンベルとバーベル、それぞれのメリットとデメリットを理解していく必要があります。
バーベルは基本的には両手で同時に持つことになります。片手で持つダンベルと比較するとラクに軌道をコントロールできます。動きが安定し、効かせたい場所に効かせやすいというメリットがあります。だた、ある程度軌道が決められてしまうため、制限されてしまう動きが出てきます。とくに「捻る」動きなどですね。腕や肩を捻る動作がバーベルだとできません。できない動作が出てくるということは、鍛えにくい筋肉が出てくるということにもなります。
一方、片手で持つダンベルは、軌道をコントロールできなければ狙った筋肉に刺激がいかないというデメリットが生じますが、正確にコントロールできればバーベルでは効かせられない部分にアプローチできるというメリットが出てきます。だから、バーベルとダンベルにはどちらにもメリット、デメリットがあるので、「どちらがいいか」という問いに明確な答えはありません。
では、どちらを先にやるべきか。これにも明確な答えはありません。一般的には、コントロールしやすく、高重量を扱えるバーベルを先に行なう人が多いはずです。ダンベルは、もちろん重量を扱うことも大切ですが、軌道をしっかりコントロールすることの方が大事になってきます。だから、体が疲れていない状態のときにバーベルで高重量を扱い、そのあとにダンベルの種目を持ってくるというのがスタンダードだと思います。
ただ、刺激のマンネリ化を避けるために、その順番を逆にするのもアリです。バーベルでは刺激できない部分を先にダンベルで刺激し、予備疲労を起こしてからバーベルを使うという方法もいいと思います。
だから、バーベルとダンベルには、どちらにもそれぞれの意味があるんです。「どちらがいいか」と考えること自体が浅はかです、喝! どちらにも意味があるのだから、両方やるべきです。
岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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