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筋トレでメンタルも鍛えられますか?【バズーカ岡田にきけ!】




これから筋トレを始める初心者から、トレーニングを日常生活に取り入れている人まで。あらゆる悩みを骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。今回は筋トレがメンタルに与える影響について。
※本記事は2017年に投稿された記事を再編集してお届けするものとなります。

鍛えられます。科学的にも経験的にも実証されています

筋トレをすることで気分をポジティブにするホルモンが分泌されることは、研究の成果から実証されています。ですから、気分が落ち込んでいる時に筋トレを行うことはメンタルにも好影響があります。この連載の第8回で、疲れている時もトレーニングをするべきと書いたのは、そういう意味も含んでいます。

また、ホルモンの分泌という科学的な話だけでなく、筋トレは困難に打ち勝って壁を突破するという体験の連続なので、その経験が心を強くするという意味も大きいです。トレーニングは10回挙げられたものを11回挙げられるように、50kg挙げられていたものを52.5kgにするという経験を積み重ねて成長していくものです。もちろん、記録が停滞して重量も回数も伸び悩むこともあります。ただ、そこで諦めずに「あと1歩」「あと1回」と自分を追い込んだ者だけが、その壁を突破できるのです。

© vectorfusionart – Fotolia

こうした経験は実社会においても「もう1歩」とがんばれるメンタルを作る、心を強くすることにつながります。そういう意味での心の成長のほうが、ホルモンの分泌よりも私は大きな意味を持っていると思います。壁にぶち当たった時に、「まだできる」「もっとできる」というデカい心を持てるかどうかが、デカい筋肉をつくっていくのです。そこでクスリに頼ってしまっては、筋肉は大きくなるかもしれませんが、心はデカくなりません。そういう考え方、思考を持てるかどうかが大切です。

つらくても「あと1回」と追い込んでいけば、その壁を乗り越えることができます。そうやって困難に打ち勝って自分を成長させる体験を、自分が好きなことでできるというのが筋トレの大きな魅力ではないでしょうか。


岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
★バズーカ岡田 公式サイトはこちら