グラビアからコスプレへ。弛まぬ努力に秘められた「自己表現」への思い【美ボディレイヤー・池幡佳織(前編)】




ストイックに磨かれた美ボディで、グラビアアイドル・コスプレイヤーとして活躍する池幡佳織さん。最近はコスプレの活動に注力し、「コスプレイヤー・イケハタカヲリ」として人気を博している。そんな池幡さんの美ボディは筋トレや食事管理の努力の賜物。「自分を見せる」ことに努力を惜しまない、池幡さんの原点とはいったい何なのだろうか。今回は全2回のインタビューで、池幡さんの核心に迫った。

自己表現が上手くできなかった学生時代。アニメや漫画が心の支えだった

――5月のアコスタ池袋では取材させていただき、ありがとうございました。その時はまさに、グラビアのオーディションの最中でしたね。

「はい。その時に挑んでいた『ミスヤングアニマル』のオーディションは2次審査で落選してしまい、自分の道を考え直すきっかけになりました。コスプレをもっと極めたいという思いがあったので、7月に事務所を離れてフリーになり、グラビアから一旦距離を置くことにしたんです。今はコスプレをメインで活動させていただいています」

――グラビアを離れるという決心には、何か決め手があったのですか。

「じつは、オーディションの撮影会で会ったカメラマンの方に『グラビアには若さも必要だし、程よく肉がついてスタイルがいい子が人気だよね』とストレートに言われて、張りつめていた糸がぷつんと切れてしまったんです。もともと胸が小さかったり、絞りを重視した体が不評だったことで悩んでいたので」

ストイックに磨いた体で、グラビアへの挑戦を続けた

――ストイックに絞ったことが裏目に出てしまったのですね。

「はい。もともとの体型の悩みもあり、その一言が決め手になりましたね。それで私が闘える場所はどこだろうと考えた時に、コスプレのことが頭に浮かんだんです。前回のアコスタ以降コスプレイベントに何回か出ていたのですが、そこで今までにない撮影の列や、SNSのフォロワー数の伸びを経験したんです。私はコスプレのほうが合っているのかもしれないと思って、踏ん切りがつきましたね。ちょっとショックでしたけど、気づけてよかったなと思います」

――5月のアコスタがコスプレ初挑戦とのことでした。実際にトライしてみていかがでしたか。

「体の面では、正直グラビアよりきついと思いました(笑)。まず荷物の量には驚きましたね。衣装やウィッグ、武器などがこれでもかというほど必要で、ある意味筋トレになりました。グラビアは極論、水着とヒールとコテを持っていって撮影をするだけですが、それとは違う苦労がありました。キャラの研究なども必要ですし、こだわりには終わりがないですね」

――楽しさの影の苦労も多く感じたのですね。

「そうですね。グラビアをやっていたからこそ、中途半端なコスプレイヤーになりたくないというプレッシャーもありました。たとえば、すぐに露出に走るなどと思われたくなかったですし、キャラクターを壊したくない気持ちも強かったです。ただそういった苦労があるからこそ、キャラを再現できた時の喜びは大きいですね」

今年5月のアコスタ池袋以降、多くのコスプレイベントに参戦している池幡さん(撮影:寅さん)

――コスプレもグラビアも「自分を見せる」という面では共通していると思います。学生の頃から人前に出るのが好きだったのでしょうか。

「いえ、全然真逆でした。学生の頃はあまり友達がいなくて、いじめられていたこともありましたから。親からも『なるべく目立たないように』と言われて育ちました。人前で自分を表現できるようになったのは、社会人になってしばらく経ってからだと思います」

――今の池幡さんからは想像がつかないです。

「中学までは父の都合でアメリカに住んでいたので、日本との文化差に馴染めなかったのかなと思います。あくまで主観ですが、アメリカはどんどん自己主張してもOKな雰囲気がありますが、日本は協調性を重んじるところがありますよね。当時の私はそれに気づかなくて、主張を貫いて同級生や先生とケンカばかりしていました。そういった日々を過ごしていたので、中学・高校・大学、それこそ社会に出てからも『自分の居場所がない』という感覚がずっとありました。そんな中で心の支えになったのが、アニメや漫画だったんです」

――アニメや漫画は、池幡さんにとってかけがえのないものなんですね。

「はい。一番つらかった中学の頃は、週刊少年ジャンプの翌週を想像して『来週は楽しいことがある。だからがんばって学校に行こう』と思っていました。当時からコミケにも足を運んでいて、心の支えでしたね。だからアニメや漫画は、自分と切り離せないものなんだと思います」

――じつは学生時代から、コスプレイヤーへの道が拓けていたのかもしれないですね。

「そうですね。ただ当時からモデルやグラビアへのあこがれもあったので、まずそちらに挑戦したのも何かの縁かもしれません。ずっと自信がなくて挑戦できなかったのですが、新卒で入った会社を辞めて、2社目のPR会社に入った時に心が決まりました。というのもPRする側が面白いなら、される側も面白いんじゃないかと好奇心が湧き、挑戦を後押ししてくれたんです」

――最初に挑戦したのは、グラビア撮影だったと。

「はい。そのタイミングでご縁をいただいた事務所に所属し、そこからグラビアの世界に足を踏み入れました。その後も事務所を移り、先日の『ミスヤングアニマル』のオーディションに挑んだりと活動を続けたのですが、やっぱり違うなという思いが強くなり、コスプレイヤーに路線変更しました」

(後編に続く)

取材・文/森本雄大
写真提供/池幡佳織

【池幡佳織(イケハタカヲリ)さんSNSアカウント】
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池幡さんも参加する、「コミックマーケット100」が8月13日(土)~14日(日)に東京国際展示場にて開催される。池幡さんは初日(13日)にサークルの売り子として「東シ47A」に登場。初日のコスプレは「ガールズ&パンツァー」のミカとのことだ。なお2日目はレイヤーとして、鬼滅の刃・堕姫のコスプレでコミケに華を添える。コミケ公式HPはこちら

★コスプレの道を歩み始めた池幡さんだが、グラビア活動も一部再開していく見通しだ。復帰後の初陣は9月18日の「近代麻雀水着祭」とのこと。詳細は以下をチェック(近代麻雀水着祭:Twitter公式サイト)