【レモンクラシック2022】コンテストレポートby和田駿 vol.1




8/14(日)に広島県民文化センターにて開催された、トレーニングジムレモン(広島県)主催のボディコンテスト「LEMON CLASSIC(レモンクラシック)2022」。「日本一出場しやすくて楽しい大会を開催したい!」「選手を大切にした大会を開催したい」という思いの下で2回目の開催となり、大盛況のまま幕を閉じた。ここでは、大会の審査員を務めた和田駿さんによる大会レポートを、4回に分けてお届けする。
大会の結果一覧はこちらから。

はじめに

レモンクラシックが3年ぶりに開催され、審査員として参加させていただいた。大会の開催意義などはほかに譲るとして、こちらの記事ではコンテストの流れ、各選手の印象などについて主に触れていきたいと思う。なお、コンテストの流れについては、YouTubeに上がっているレモンクラシックのアーカイブでご覧いただけるので是非ご覧いただきたい。

当日のライブ配信は同時接続1万人を超えたそうである。

1.コンテストの流れ

まずコンテストの流れについて簡単に説明したい。前回のレモンクラシックはボディビルとフィジークの2カテゴリーで争われたが、今回は以下の6カテゴリーで争われた。

●賞金なしフィジーク170cm以下級
●賞金なしフィジーク170cm超級
●賞金なしボディビル
●ビキニ(賞金あり)
●賞金ありフィジーク
●賞金ありボディビル

タイムスケジュールとしては、まず午前中に予選審査=ピックアップ審査を行ない、決勝に進出する上位10人(ビキニのみ6人)を選出。昼休みを挟み、午後に上位選手の決勝審査を行なうという流れであった。

ただし、賞金ありボディビルのみ、ピックアップ審査を行なわず、決勝の比較審査からのスタートとなった。なお、決勝比較審査に出場した14名の出場者中、フリーポーズ審査に進めたのは上位10名のみである。

2.審査の方法

▼ピックアップ審査

まず予選では、決勝に進むかどうかギリギリのラインにいると思しき選手を数人ずつ選んで比較して審査していく。これがピックアップ審査である。ピックアップの前、ラインナップ時に、選手全員が立ち位置を変えながら2回ずつポーズを取る。その中で審査員は決勝に進む選手に目星を付けていく。ここでもう一回見ないと判断できないなと思われた選手たちがピックアップ審査で呼ばれることとなる。

なお、レモンクラシックにおいてボディビルの規定ポーズは8ポーズであるが、ピックアップ審査ではラットスプレッドとサイドトライセプス以外の5ポーズで比較される。ピックアップを経て、それぞれの審査員が決勝に進出する選手をチェックする。チェックのついた数が多い選手が決勝審査へ進出する。

▼決勝審査

決勝審査の方式は、フィジーク・ビキニとボディビルで変わってくる。フィジークとビキニはLウオークでの入場の後、ラインナップで2回ずつポーズを取り、その後、少人数ずつの比較審査を行なって順位を決定する。

ボディビルも入場後、ラインナップで2回ずつポーズを取り、少人数ずつの比較審査を行なって順位を決定するが、その後、各自の用意した音源に合わせたフリーポーズ審査だけでの順位づけが行なわれ、その合計で最終的な順位を決定する。

どのカテゴリーにおいても、決勝比較審査での順位付けは上位と思しきメンバーを最初に比較する。特に最初の比較(=コールアウト)をファーストコール、2回目以降をセカンドコール、サードコール、フォースコール、フィフスコール…というように呼ぶ。最後のコールアウトをラストコールと特別に呼ぶ場合もある。ファーストコールがそのカテゴリーでの優勝候補達が呼ばれるタイミングである。

なお、順位づけでは審査員4人がそれぞれで各選手に順位をつけ、その合計の数字が小さい選手が高い順位となる

3.表彰

▼ポーズダウン

順位の発表は、各カテゴリーともに、決勝の最後に残ったメンバーが舞台に上がり、BGMに合わせて自由にポーズを取りながら、一番下の順位から順番に呼ばれていく。これをポーズダウンと呼ぶ。

今回はビキニやフィジークのポーズダウンでもボディビルのポーズを取る選手が多く、選手たちのこの場を楽しもう、観客と一緒に盛り上がろうという思いを強く感じた。

▼表彰

最後、ポーズダウンまで残った選手には、全員、協賛企業からの副賞が贈られた。ビキニ、賞金ありフィジーク、賞金ありボディビルでは、上位3名までに賞金が贈られた。加えて、純粋な順位と別に、下記の特別賞を設け、それぞれに副賞が与えられた。

●ピープルズチャンピオン
ビキニ、賞金ありフィジーク、賞金ありボディビルでは、カテゴリーごとに観客投票で決定する「ピープルズチャンピオン」を決定。審査員の審査とは別に表彰した。

●二頭賞
賞金ありボディビルでは、最も上腕二頭筋の優れた選手を審査員が選定し、「二頭賞」として表彰した。

ここからは、カテゴリーごとに審査の流れと雑感を書いていきたいと思う。

賞金なしフィジーク170cm以下級

1.ピックアップ審査

ラインナップで2回ずつポーズを取った後、数人ずつのピックアップ審査に入る。ピックアップ審査は3回行なわれ、全て5人ずつの比較となった。

1回目は

15番けん選手、17番ゆうと選手、20番増田選手、23番かわの選手、27番角山選手

2回目は

20番増田選手、28番角田選手、31番篠原選手、33番渡部選手、39番木ノ脇選手

3回目は

6番中村選手、27番角山選手、17番ゆうと選手、33番渡部選手、39番木ノ脇選手

で、それぞれ行なわれた。

ピックアップ審査の結果、決勝進出を決めたのは

1番臼井選手、5番シャバガミ選手、6番中村選手、13番高木選手、17番ゆうと選手、20番増田選手、23番かわの選手、38番品川選手、40番山野井選手、45番山本選手であった。

ピックアップで2票ついた33番渡部選手、1票ついた15番けん選手と、ピックアップで呼ばれながらも通過した6番中村選手、17番ゆうと選手、20番増田選手、23番かわの選手との差は、仕上がりにあったのではないかと思う。

2.決勝審査

ラインナップで2回ずつポーズを取ったあと、順位づけの比較審査である。

まず、ファーストコールで呼ばれたのは以下の5名であった。

5番シャバガミ選手、13番高木選手、20番増田選手、38番品川選手、45番山本選手

セカンドコールは以下の5名。

1番臼井選手、6番中村選手、17番ゆうと選手、23番かわの選手、40番山野井選手

サードコールは以下の5名。

5番シャバガミ選手、6番中村選手、13番高木選手、38番品川選手、40番山野井選手

フォースコールは以下の5名。

5番シャバガミ選手、13番高木選手、38番品川選手、40番山野井選手、45番山本選手

フィフスコールは以下の5名。

5番シャバガミ選手、13番高木選手、20番増田選手、38番品川選手、45番山本選手

シックスコールは以下の3名。

1番臼井選手、17番ゆうと選手、23番かわの選手

セブンス(ラスト)コールは以下の3名。

20番増田選手、38番品川選手、45番山本選手

以上、合計7回の比較で順位が決定した。

3.順位発表・審査結果

選手それぞれが思い思いのポーズを取りながら、10位から順番に順位が発表される。ポーズダウンで順位が発表された順番に、各選手の印象を書いていきたいと思う。

第10位:ゆうと選手

腹筋の厚みがあり、フロントのディテールはよかった。

第9位:かわのまさはる選手

腹筋がものすごくよく、フロントポーズでは非常に目立っていた。

第8位:臼井陽平選手

よく絞れており、シルエットもきれいなVシェイプで目立っていた。

第7位:中村希周選手

腹筋もよく、スタイルが良く感じた。ぱっと見たときに格好よく見えるタイプである。TOP6と比べると少し背中が狭く見えてしまったかもしれない。

第6位:山野井観月選手

身体の厚み、筋肉量ではTOP3に比肩するものがあった。ポーズの問題か、広がりを表現できず、ウエストが太く見えてしまったかもしれない。

第5位:増田和幸選手

全身にバランスよく筋肉がついており、欠点が少なく感じた。TOP6の中では一回り細く、筋肉量の面で上位に食い込むのが難しかった。

第4位:品川光輝選手

上位三人と比べると細いが胸と腹が強く、スタイルの良さでも目立っていた。背中が少し狭く見えていたが、ポージングや腕の筋肉の問題であったかもしれない。

第3位:高木悠介選手

背中からウエストへ流れるラインがきれいで、肩の張り出しや身体の厚みは優勝した山本選手に迫るものがあった。腹筋が少し弱く見えてしまったことでTOP2の後塵を拝したかもしれない。

第2位:シャバガミ選手

広い肩幅に充実した筋量で、素晴らしいVシェイプであった。腹筋はやや薄く感じたが、十分にシックスパックが主張されていた。ステージ上の笑顔が印象的で、ポーズダウンでのパフォーマンスは圧巻であった。

第1位:山本遼太朗選手

堂々としたステージングで、場慣れしているように感じた。フロントポーズバックポーズ共に、各部位のディテールがはっきりとしており、背中の厚みがとくに素晴らしかった。ポージングのうまさもあり、とくに弱点を感じさせなかった。

★vol.2(賞金なしフィジーク170cm級、賞金なしボディビル)に続く

写真/TEAM Liv.