佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.22 諸星憂弥 前編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回登場するのは、VITUP!編集部のご近所「Y personal training gym」をはじめ、都内各所のジムで活動する諸星憂弥トレーナーです。前編ではその歩みから紹介していきます。

「昔から“なんとかなる精神”が強い人間なんです」

 

諸星憂弥トレーナーは、自身の性格をこう語ります。この“なんとかなる”の考えで前に進んできた結果、現在のパーソナルトレーナーという自分にとっての天職にたどり着くことができました。

 

5歳からサッカーを始めた諸星さんは、走ることをはじめ、体を動かすことが大好きでした。将来的にはスポーツ関連、トレーニング関連の職種に就きたいと考えていたものの、大学卒業時には道を切り開くことができず、一般企業に就職することになりました。

 

「5歳から33歳までサッカーをやっていたくらい、スポーツは好きでした。大学時代にはボランティアで小学生を対象にしたスキー教室の先生をやっていたこともありましたし、スポーツ関連の仕事をしたい思いはありました。ただ、大学がそういう学部ではなかったこともあって、スポーツ関連に就職することができなくて、スポーツ系にいきたい気持ちはありつつも、一般企業に就職して営業をやっていました」

 

人当たりのいい性格と、愛嬌のある笑顔を併せ持つ諸星さんは、営業に向いているタイプだと言えます。ところが就職して間もなく、スノーボードのインストラクターに転身します。憧れのスポーツ関係の仕事に就くことができ、その道で生きていこうと活動を続けるなかで、壁にぶち当たることとなりました。スノーボードのインストラクターという限られた世界では、収入面で苦しむこととなり、志半ばでサラリーマンに戻ることに……。再びサラリーマン、営業職で働いていると、思いもよらない形で、転機がやってきました。

 

「取引先の一つに整骨院があって、そこで行なっていた加圧トレーニングを受けたんです。自分で体験してみて、これはいいなと思っていたところで、スポーツが好きならどうですか?と声をかけてもらって、未知の世界ではあるけど、整骨院で働くことになりました」

 

資格も経験もない自分が整骨院に勤務して何ができるかはわからない。それでも諸星さんは持ち前の“なんとかなる精神”で、チャレンジを決めました。

 

「今までとは違う世界なので最初は大変でしたが、人と接するという部分は、整骨院でも営業職でも変わりません。それはトレーナーも一緒ですよね。今にして思うと、最初に営業をやっていたことは生きていると思います。私は柔道整復師などの資格を持っていなかったので、加圧トレーニングやストレッチといった、フィジカル的な部分のケアを担当していました。そうしたなかで、段々ともっと本格的にトレーニングのほうをやっていきたいという気持ちになって、パーソナルトレーナーとしてやっていこうと決断しました」

 

諸星さんは、加圧インストラクターの資格を取得し、整骨院に訪れた人たちにトレーニングやストレッチを指導していくなかで、自分が本当にやりたいことはトレーナーだと気づきました。潜在的顧客がいたわけでも、フィットネス業界にツテがあったわけでもなかったものの、ここでも“なんとかなる精神”を発揮。自らいろいろなジムにアプローチをしていくと、ジム付のフリーパーソナルトレーナーという形で、採用してもらうことができたのです。

「何かを始めるときはまったく不安がないわけではないですけど、昔から“なんとかなる精神”が強い人間なんです(笑)。だからやる前に不安になるよりも、まずやってみようと考えます。もしもやってみてダメだったら、次のことはそのときに考えればいいことですから」

 

こうして約2年前にパーソナルトレーナーとしてスタートを切った諸星さんは、現在では千代田区のY personal training gymでの週2日をはじめ、八王子市、青梅市、調布市、浅草のジムでもパーソナルを担当。顧客をガッチリつかんでいます。

 

「トレーナーとしてのキャリアは浅いので、まだまだ経験豊富な方々に及ばないところはあると思います。そのなかで自分の武器は営業出身ということで、お客様とのコミュニケーションです。トレーニングは続けてもらうことが大事なので、お客様の様子をよく観察して、会話の中から本当に求めているもの探って、それを提供してあげて、長くトレーニングを続けてもらえるように心がけています」

 

パーソナルトレーナーとして充実した日々を過ごす諸星さんには、さらなる目標があります。

 

「私自身がサッカーを長くやってきたこともあって、スポーツジャンルに必要なことをもっと勉強したい気持ちがあります。もう一つは子どもたちのトレーニングです。学生時代にスキー教室の先生をしていたこともあって、子どもが好きなんです。だから子どもの成長の手助けができるような勉強もしています。今後の自分のパーソナルトレーナーとしての個性、自分の道として、そうしたことをやっていきたいです」

 

目標が見つかったら即行動。悩むよりもチャレンジ。諸星さんは持ち前の“なんとかなる精神”で、これからも自らが進むべき道を切り開いていきます。

 

というわけで、今回はここまで。次回は実際のトレーニング編をお届けします。

 

 

【トレーナーPROFILE】
諸星憂弥(もろほし・ゆうや)
1986年生まれ。東京都八王子市出身。5歳からサッカーを始め、スポーツに親しむ。整骨院で加圧トレーニング、ストレッチの指導を経てパーソナルトレーナーに転身。千代田区飯田橋の「Y personal training gym」をはじめ、都内のジムでパーソナルトレーニングを数多く担当している。

 

【パーソナル情報】
日曜日&木曜日=Y personal training gym 千代田区富士見スカイマンション209
月曜日=八王子市
火曜日=調布市国領
水曜日=パーソナルトレーニングジムさんはぴ 青梅市河辺町5-8-10河辺ゴールド4F
金曜日&土曜日=加圧&パーソナルトレーニングRoot for  台東区浅草1-16-2 quarte.chicビル7F
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佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。