ワールドカップの陰で起こったアジアサッカー界の裏側に迫る




アジア諸国を舞台にしたドキュメンタリー作品を届ける動画配信サイト「アジアンドキュメンタリーズ」から、アジアサッカー界の裏側に迫る、ギリギリの作品が配信中という情報をキャッチした。

本記事では、公式サイト内で特集された「ワールドカップの陰で」でピックアップされた3作品を紹介しよう。


1.『偽装ゲーム サッカー賭博シンジケートの闇(原題:Fixed-A Football Comedy)』

2010年に行われた、観客は100人ほどの国際親善試合「バーレーン対トーゴ」。お世辞にも注目度が高いとは言いがたい一戦は、サッカー界を揺るがす大事件へと発展していった。ペルシア湾岸最強を決める「ガルフカップ」を間近に控えたバーレーンの親善試合でマッチメイクを任されたのは、シンガポールのエージェント・ペルマル。しかし彼は日付を間違え、その日トーゴ代表はバーレーンに向かうことはできなかった。試合当日、試合会場に現れたのはなんと偽のトーゴ代表。さらにその試合は不可解なジャッジが多発。“誰も注目しない1戦”ではたしてなにが起こったのか、当事者と関係者の証言を積み重ね、サッカー界の裏でうごめく巨大な欲望を暴いたドキュメンタリーとなっている。


2.『スタジアムの奴隷たち(原題:Football Hell)』

2022年FIFAワールドカップの開催国、カタールのスタジアム建設の裏で行なわれている“奴隷的搾取”の実態を暴いた作品。真実を語ると解雇されるため、建設現場の移民労働者たちのほとんどが取材を拒否したが、数少ない告発者に案内された先では、水が流れないトイレ、空調のない部屋に10人以上の労働者が詰め込まれているなどの過酷な実情があった。ビル建設が止まらない富豪の街にはほとんど人がおらず、それを作った労働者は郊外のキャンプ暮らし。契約書の給料の半分以下しか受け取れず、パスポートは取り上げられ、奴隷同然の扱いで週7日の労働。過労死の数は公表されない。何千もの労働者の命と引き換えに、輝かしいワールドカップが開幕する。


3.『狂気と暴走 インドネシアサッカーの苦悩(原題:Running Amok)』

“世界最凶”と恐れられているインドネシアのサッカーリーグにフォーカスを当てた作品。1994年以降、2019年までに74人のサポーターが命を落としている同リーグは、スタジアムには怒号が響き、発煙筒が焚かれ、街中ではサポーター同士の争いが絶えない。敵地であってもひるまず潜入する彼らは、常にいさかいのリスクに直面している。死者が出るたびに観戦禁止やリーグの中断など、厳しい措置が取られた。暴動を回避するためにサポーターのリーダーたちは策を練るが、その一方でリーグにはびこる八百長にもファンは激怒する。暴動と腐敗、二つの問題を抱えてもなお、熱狂の渦に包まれているインドネシアサッカー界の“リアル”がここにある。

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文/中野皓太