「意外と石橋を叩いて渡るようなところもあります」
——ルミナさんでも、そういったことを考えることがありますか。
「試合ではあまりリスクを考えないような感じでやっていましたけど、意外と石橋を叩いて渡るようなところもあります。修斗でずっとやっていたのも、もしかしたらそういうところかもしれないですし。刹那的な考えだったらPRIDE武士道とかに出場していたかもしれません。でも、この橋はもう少し叩いたら壊れるかもしれないな、と思って止めたところもあるので。もちろん修斗のベルトを巻きたい、修斗を世間に認知させたいという思いがあったのも事実ですけど」
——石橋を叩いて渡るというイメージは、たしかにありませんでした。
「地震で津波が来るというのはつねに思っているので、家を探す時も標高30m以上のところを探しましたからね(笑)。小さい頃からつねに世紀末、核戦争とかが来るという大前提で生きているので。車もずっと四駆です。何かあった時に、ギリギリまで逃げられる確率が高いのが四駆ですから。そもそも格闘技でMMAを選んだのも、何かあった時に逃げられる技術が身につくのは何でもありのMMAだと思ったからでもありますし。もちろん誰かに絡まれた時に飛びつき腕十字とかは絶対にやらないですけど(笑)。基本的にそういう最悪なことが起きた時にどうやったら対応できるか、ということをつねに考えています」
——世間のイメージとは真逆だと思います。
「ノストラダムスとか都市伝説とかオカルト的なものは別ですけど、それこそ富士山の噴火とかリアルなものは考えます。自分が海で溺れてヤバいという状況ももちろん考えていますし、だからこそ基本的には海には一人では入りません。自分は不整脈の症状が出たこともありますし、仲のよかった先輩が海で心臓が止まって亡くなったこともあったので、海に行くときはなるべく友達と行くことにしています」
——そういった考えの人が、危険を伴う格闘技をやっていたというのが面白いですね。
「でも、現役の後半は練習でも打撃はやりたくなかったですよ。だから今は教えるだけで、打撃はまったくやってないです。大前提として長生きしたいんですよ、ギリギリまで健康寿命を保って。じゃあ、そうなるためにどうすればいいのかと考えたら、ある程度は運動だったり食事面の改善が必要になりますよね」