48歳でいまだ現役。サッカー元日本代表のトレーニング術【ミドルエイジの挑戦/伊東輝悦#2】




「人間そんなヤワじゃない。何もやらなくてもこれくらいにはなれますよ(笑)」

——ストレッチなどは、いかがですか。

「全体練習の時にやるくらいで、家とかでもほとんどしてないです。……、あらためて考えてみると、本当に何もやってないな(笑)。俺がストレッチをやっているとしたら、ケガをしているかよっぽどのことですよ」

——もはや「なぜ、ここまで長く続けることができたのか?」と問われても……。

「運がよかったんじゃないですかね。1対1で組み合うとか、そういう競技ではないので。シンプルに体だけの要素ではなく、サッカーは体以外に必要な要素がたくさんある競技なので、そういう面でもうまくやったんじゃないかと思うんだけど」

——今後、プロのサッカー選手を目指すような子どもたちへのアドバイスも難しいですね(笑)。

「人間そんなヤワじゃないよって思う部分もあるので、何もやらなくてもこれくらいにはなれますよ(笑)」

——中山監督から何かアドバイス的なものはありますか。

「とくにないですけど基礎的な筋トレを本当に地道に毎日フルでやっている人だったから、『すごいな、この人は』ってずっと思っていました。本当にメンタルお化けで、そういうのを見てすごく刺激にはなっていました。俺にはあんな地味なことを毎日続けるとか絶対に無理です。実際、この前ゴンさんに『本当に無理だったら無理って言いますから』って伝えたら笑っていました」(#3に続く

取材・文・写真/松浦俊秀

アスルクラロ沼津オフィシャルサイト

伊東輝悦(いとう・てるよし)
1974年8月31日、静岡県出身。168㎝。70㎏。アスルクラロ沼津所属。1993年に清水エスパルスに加入。1994年6月11日のJリーグ第21節、ガンバ大阪戦でプロ初出場を記録。1996年にはアトランタ五輪に出場し、初戦のブラジル戦で決勝ゴールを決めマイアミの奇跡の立役者となる。2007年11月11日、藤田俊哉に続き史上2人目となるJ1通算400試合出場を、2008年5月11日にはJリーグ通算最多出場となる415試合出場を、2009年6月27日にはJ1史上初となる450試合出場を達成する。ワールドカップ・フランス大会日本代表。国際Aマッチ通算27試合出場。前所属チーム/清水FC、袖師中、東海大一高、清水エスパルス、ヴァンフォーレ甲府、AC長野パルセイロ、ブラウブリッツ秋田

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