3連覇達成の“令和の怪物”。相澤隼人はもっと強くなる【プレイバック2023】




24歳にして最高峰の「日本男子ボディビル選手権大会」を3連覇。大学在学中に史上最年少で頂点に到達した“令和の怪物”は、今やボディビル界の顔となった。

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ここまでの戦いが順風満帆だったわけではない。初優勝を成し遂げた時は「自信があった」と話していたが、新社会人として臨んだ2022年は「悔しいです。期待してくださった皆さんに申しわけない」と涙を流し、関係者を驚かせた。

「本当はもっと良いステージを見せたくて今日まで頑張ってきたつもりでした。自信もなくて、それが顔にも出ていたと思います。どんどん不安になっていって……」

連覇をはたした直後とは思えないコメントには、王者の自覚と責任感、そしてそれゆえのプレッシャーがにじんでいた。

それから1年で自分の状態を立て直してみせたところも王者の強さと言えるだろう。「やってきたことが実になってうれしい。今シーズンは自分自身の成長を感じられた1年だったと思います」と語ったように、心身ともにレベルアップした実感から自信を持ってステージに立つことができた。

前年と同じく涙は流れたが、今度は悔しさではなく、そこに至る歩みを噛みしめ味わうような涙だった。

「当初はプレッシャーみたいなものはありました。でも、“そこ”じゃないかなって。ボディビルの大事な部分は自分が取り組んできたことに対してどういう変化が起きるかというところ。今シーズンはそこにしっかり取り組めた」

若き王者が背負うものは大きい。だが、ボディビルの本質と真摯に向き合うことで、そのプレッシャーは前向きなエネルギーに転換された。

令和の怪物は、もっと強くなる。

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