佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.39 Ran(Update)前編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回登場するのは、「元アイドル」の肩書きを持つRanトレーナー。アイドルグループ「バクステ外神田一丁目」(現・外神田いっちょめ)、「エラバレシ」のメンバーとして活躍した彼女がなぜパーソナルトレーナーの道を選んだのか? 前編ではその異色の歩みについて迫っていきます。

写真をご覧いただけばわかる通り、Ranトレーナーは、アイドル顔負けのキュートなルックスの持ち主。それもそのはず、トレーナーになる以前は、つんく♂&志倉千代丸プロデュースのアイドルグループ・バクステ外神田一丁目(現・外神田いっちょめ)、その選抜ユニット・エラバレシのメンバーとしても活躍したバリバリのアイドルだったのです。

 

「小さい頃から芸能の仕事に憧れていて、最初はモデルからスタートしました。その当時の所属事務所でダンスユニットを組んで初めてステージに立ったときにすごく楽しくて、そこからアイドルデビューへとつながっていきました」

 

Ranさんが所属したバクステ外神田一丁目は、つんく♂&志倉千代丸の共同プロジェクトとして誕生したアイドル育成カフェ「AKIHABARA バックステージ pass」に所属するアイドルキャストの総称で、そこから選抜されたメンバーがCDデビュー。Ranさんはその中でも中心メンバーの一人として多忙な日々を過ごしてきました。

 

「拠点の秋葉原では週5日くらいステージに立っていましたし、そこでの公演がないときは外のライブハウスに行ったり、リリースイベントがあったり、常に活動していました。私はダンスがヘタクソだったので、ステージが終わって23時半くらいに帰宅して、深夜2~3時くらいまでダンスの練習をしてという感じでハードな日々でした。でも、アイドル活動が好きだから苦ではなくて続けられました」

 

アイドルとして、歌やダンスといったパフォーマンス部分を磨いていくことはもちろん、スタイル、ルックスを磨いていくことも欠かせません。そのために当時は間違ったダイエットをしていたと振り返ります。

 

「痩せていないとアイドルではない!みたいな意識が自分の中にありました。今では考えられないんですけど、断食をしたり、一日一食だけにしたり、健康とはかけ離れた食事制限だけのダイエットをしていました。私だけでなく、アイドルではそういう子がたくさんいます。トレーナーとなった今は、健康的に痩せられるということをもっと世の中に発信していきたいという気持ちがあります」

 

Ranさんは26歳でアイドルを卒業し、元々、体を動かすこと、トレーニングが好きだったことから、フィットネス業界へと転身。当初はフリーとしての芸能活動と並行しての取り組みでした。

 

「アイドルを辞めた後も、いただいていた仕事があったので、フリーとして活動させてもらっていました。アイドル時代はアイドルとしての活動しかしていなかったので、今までできなかったことをやりたいと思ったときに、頭に浮かんだのが『ジムのお姉さんになりたい』ということでした。小さい頃から空手をやったりして、強い女の子になりたいという思いが根っこにはあったことと、トレーニングも好きだったこともあって、大手フィットネスクラブの面接を受けて、働かせてもらうことになりました」

 

大手フィットネスクラブでインストラクターとして働きつつ、フリーとしての芸能活動を行なう。そんな二足の草鞋を履く生活に変化が起きたのは、世界中を襲った新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でした。

 

「コロナの影響で私が思い描くようなライブ活動ができなくなっていくと同時に、フィットネスクラブで働いたことで、よりフィットネスの素晴らしさに気づきました。私の性格上、二足の草鞋を履くのは難しいということもあって、これからはフィットネスに人生を注いでいこうと思って、本格的にトレーナーを目指しました」

フィットネス業界一本で生きていくと決めたRanさんは、大手フィットネスクラブでの勤務と並行して、パーソナルジムとも契約し、パーソナル指導を学び、NSCA-CPT資格を取得。8時~16時まではフィットネスクラブで働き、17時半~23時半まではパーソナルジムで働くというハードな日々を送りながら、パーソナルトレーナーとしての経験を積んでいきます。そして2022年に自身のジム「Update」を立ち上げました。

 

「人生を逆算して考えたときに、このタイミングだなと思って27歳のときにジムをオープンしました。新しくジムを始めるなら興味を持ってもらえるように、“元アイドル”という肩書きを使えるタイミング、なるべく早いほうがいいと考えたんです。“元アイドルがやっているのは面白そうだな”という感じで、フィットネに興味を持ったり、トレーニングを始めるきっかけになったりしてくれたら嬉しいと思っています」

 

“元アイドル”という肩書きは、トレーナーとして他者にはない自分の個性であり、武器となる一方で、「アイドルだから本格的ではない」とマイナスに受け取られる恐れもありました。Ranさんはマイナスな声に負けないため、「Update」の名の通り、自身をアップデートさせることを忘れません。NSCA-CPTの資格に加え、今年1月には栄養コンシェルジュ2ッ星の資格を取得しました。

 

「元アイドルという肩書きはプラスの面があるんですけど、悪く言うとフィットネス業界では下に見られるようなところもあります。何もできないと思われるのは悔しいので、いろいろな武器がほしいと思って資格をとりました」

 

武器となる“元アイドル”の肩書きを使うのは「31歳まで」というRanさん。その理由は肩書きに甘えず、トレーナーとして成長していきたいという思いがあるからだと言います。そんな彼女がパーソナル指導をするうえで大事にしていることは「初心を忘れないこと」です。

 

「自分が初めてトレーニングをしたときの気持ち、トレーナーとして初めてセッションしたときの気持ちは忘れないように心がけています。初めてパーソナルを受けるお客様はワクワクと同時に不安な気持ちもあると思うので、常にお客様の目線に立って接することを心掛けています」

 

初心に加えて、もう一つRanさんが大事にしているのは「人と比べない」こと。前述のようにアイドル時代は選抜メンバーを決める人気投票があり、常に人と比べられてきました。そうしたなかでたどり着いたのが、比べるべきは他人ではなく、過去の自分だということ。それをお客様に伝えていくことを大事にしています。

 

「アイドル時代は毎月ランキングが出されて、当時はすごく気にしていたと思います。でもあるときから、誰かと比べるよりも、過去の自分と比べて成長していればいいかなと思うようになったんです。SNSの普及によって良くも悪くも周りの人と比べてしまう人が増えていると思います。でもトレーニングは人と比べるものではないので、お客様には自分のペースでアップデートしていきましょうと伝えています」

 

ジム創設から2年。もっともっと「Update」を大きなものしていきたいと考えるRanさんには壮大な目標があると言います。

 

「究極のことを言うと、日本のフィットネス人口を一人でも多くしたいんです。元アイドル、女性トレーナーとして、多くの人のフィットネスの入口になれるようなトレーナーになれたいいなって思います」

 

多くの人にとって“フィットネスの入口”になるためには、自身の知名度アップ、トレーナーとしての力量アップは不可欠。Ranさんは究極の目標に向けて、これからも自身をアップデートさせる日々を続けていきます。

 

というわけで、今回はここまで。次回は実際のトレーニングを体験させていただきます。

 

【トレーナーPROFILE】
Ran(らん)
神奈川県出身。高校時代からアイドルとして活動する。26歳でアイドルを卒業し、元々興味のあったフィットネス業界に転身。大手フィットネスクラブでインストラクターを務めたのち、2020年に「パーソナルジム Update」を設立した。
〔保有資格〕
NSCA-CPT/栄養コンシェルジュ2ッ星
Instagram

 

【パーソナル情報】
Update HP
〔パーソナル料金〕
★Updateコース
月に8回パーソナルトレーニング=66,000円(1回8,250円~)
★回数コース・平日・土日・祝日9~22時
4回=46,000円/8回=92,000円/16回=184,000円/24回=264,000円/32回=336,000円
★モーニングコース
平日9~13時=4回/8回/16回(1回9,850円~)
★体験=5,000円
※その他詳細はHPを参照

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。