5月30日(土)~31日(日)に開催された『第10回記念全日本フルコンタクト空手道選手権大会』で、鈴木成実(新極真会 厚木・赤羽支部)が初出場、初優勝を達成した。4月に高校に入学したばかりの15歳が、成人に混ざって闘う一般部の全日本大会で史上最年少戴冠の快挙を成し遂げた。
血筋をたどればその強さもうなずける。第8回全世界空手道選手権大会チャンピオンの鈴木国博支部長を父に持ち、姉である未紘は2022年12月から連続優勝を継続中の絶対女王として君臨している。未紘の実績の中には全世界空手道選手権大会優勝も含まれており、敵なしの姉と日々鍛錬を積んでいる。
もちろん、成実の実績も申しぶんない。必殺の横蹴りを武器に、新極真会カラテドリームフェスティバル(老若男女が出場できる全国大会)を通算9度制覇、青少年フルコンタクト空手道選手権大会(ユース・ジュニア年代の統一王者決定戦)4連覇などの実績を残し、次世代のトップランナーとして認知されてきた。とはいえ、一般部の闘いやレベルにいきなりアジャストできるのかが課題のように思われた。
しかし、そんな懸念は勝ち上がりとともに消えていく。得意の上段横蹴りを活かしつつ、突きとのつなぎを工夫するなど組手はアップデート済み。以前は課題だった接近戦の攻防も力強く進化させており、破竹の勢いで決勝へ進出した。
決勝では体重別世界大会で2度の3位入賞をはたしている井上ほの花(新極真会 東京城南川崎支部)と対峙。ここでも得意の横蹴り、対戦相手の死角から繰り出す内廻し蹴りなどでペースを掌握し、本戦4-0で勝利。堂々の闘いぶりで初優勝をはたした。
決勝後のインタビューで成実は「試合を楽しむことを意識して、それが勝ちにつながったと思います」と喜びのコメント。女子重量級の決勝を控える姉・未紘には「最高のバトンを渡せたと思うので、絶対にダブル優勝しましょう」とエールを送った。
その後は姉も優勝をはたし、見事に姉妹Vが実現。未紘は「姉妹で優勝することが一番の親孝行になると思ったので、成実と優勝できてよかったです」と熱い思いを語った。
今大会で未紘の連続優勝記録は「9」に伸びた。向かうところ敵なしの姉をもってしても、本大会に初出場した際は敗北を喫している。15歳にしてトップへ駆け上がった成実は、姉も成し得なかった偉業を達成した形だ。姉の強さがフィーチャーされてきた中、妹も劣らず怪物だということが証明された。
今後、姉妹の対戦が実現する可能性があるのは、今年10月に開催される無差別級日本一決定戦・新極真会第58回全日本空手道選手権大会だ。成実は「私が姉を倒します」と大胆にも宣戦布告。頭角を現わしてきた新怪物が、独走状態の姉の牙城を崩せるか?


