金子賢×ジュラシック木澤スペシャル対談① フィットネス競技、続ける秘訣は「好き」と「負け慣れ」?




俳優であり、ボディコンテスト団体「SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)」の代表を務める金子賢さん。そして、通算20回のJBBF日本選手権ファイナリスト入り(最後の挑戦で優勝)、IFBB世界選手権優勝などの記録を持つ木澤大祐さんのスペシャル対談が実現した。舞台となったのはサマスタ夏の大一番「JAPAN PRO CHAMPIONSHIP」(8月2日)。ここでは、業界を支えるふたりの言葉を全2回でお届けする。

左:金子賢さん(写真/SUMMER STYLE AWARD)、右:木澤大祐さん(写真/VITUP!)

【動画】ジュラシック木澤のラストステージ 世界選手権フリーポーズ

ボディメイクの原点を振り返る

――おふたりが体づくりを始めたきっかけを教えてください。

金子 僕は本当に誰もが思う『ただかっこよくなりたい』というところからスタートしました。最初は何かを目指すというわけではなかったです。

木澤 私は中学生の頃に筋肉に目覚めて、さすがに筋トレ部というのはなかったので。もう自分でひたすらに自重で筋トレを始めたのが最初ですね。

――競技を始めた当初と現在で、体づくりに対する考え方はどのように変わりましたか?

金子 僕の場合は木澤さんとは違って、自分がコンテストに出始めた時に、一般の人も輝けるようなものというのがすごく魅力的だったんですよね。なのでそれを自分がやった時に、『一生懸命やればこうやって輝ける場所があるんだ』と思って魅力を感じました。それを皆さんに知らせたいと思ってやった感じですね。

――まさにサマスタで体現されていることですね。木澤さんはいかがでしょうか?

木澤 僕は18歳でステージに初めて立って、49歳までステージに立ったので、10代~40代とステージで競技をやってきました。体の成長とともにメンタルの成長、ケガとの付き合い方など、そういうところで自分の年代に合わせたトレーニングや休み方を考えながら、自分の体で実験しつつ歩んできた感じですかね。

――長く競技を続けるために、最も大切だと考えていることは何ですか?

金子 僕が大会に出たのは言っても10数年前のことです。そもそも競技を始めたのが遅かったので、もう40代がすぐそこだったんですよね。僕の場合はケガが多くて、それとどう付き合っていくかというのも課題でした。見てわかると思うんですけど、そもそも体が細いんですよ。なので、大きくするのがなかなか難しくて、そこは結構苦しかったところです。結局、自分が好きで楽しんでいるのが一番大事だと思います。それが10数年続けてこられた理由かなと思いますね。

木澤 長く続けるためには、トレーニングが好きじゃないと無理だなと思うんですよね。あとは、競技を長く続けるには、やっぱりチャンピオンって1人しかなれない。だから、ある程度「負け慣れ」をするというのは大事で、負けた時にどういう立ち直り方をするかとか、次に向けてどう動き出すかというのは、選手として長くやっていく上で非常に大事だと思います。

金子 本当にこれをたくさん言ってほしいです。多分一度も負けたことがない人っていないですよね。

木澤 僕なんかは、本当に日本のボディビルの頂点をずっと追ってきたので。20回目でやっと優勝できたんですけど、そこまでは正直、負けと言ったら全部負けになりますから。負けるのはよくないことなんだけど、負けた時の自分のメンタルに、ある程度対応できるようになることが大事ですね。

登壇して思いを語ったふたり(写真/ダテハリ)

――思うような結果が出ない時、モチベーションが下がった時はどのように乗り越えてきましたか。

金子 好きでやっているから、モチベーションとかってあんまりないんですよね。

木澤 トレーニングにモチベーションって必要ですか?

金子 やっぱり目標を見つけたら、そこに向かっていくのが一番いいと思います。結局、結果が上がっていなくても自分の体がよくなっているわけだから。そこをうまく自分の心と相談して噛み砕いて、結果がよくなくても「自分は成長したな」と思えるようにすればいいかなと思います。

―順位も大事ですが、そればかりに執着するとどうしてもモチベーションが下がってしまう。過去の自分と比べて「ここが成長したな」と考えていくのがいいと。

金子 この競技って「走ったら誰が一番速い」みたいな競技じゃないので、審査員が変われば順位も少し変わるんですよ。そういうところも自分の中で噛み砕いていくと、もう少し出やすくなるかなと思います。

――すごく貴重な視点です。ありがとうございます。木澤さんはいかがでしょうか。

木澤 僕はボディビルを長年続けて、最後に自分の中で一番残った言葉が「がんばるより踏ん張る」という言葉だったんです。人間、楽しい時はがんばれるんですけど、落ち込んだ時になかなかがんばれなくて投げ出してしまう。そこでいかに踏ん張るかが、競技者としては一番大事だと思います。自分の競技人生を振り返ると、「がんばった」という記憶はほとんどないです。もう「踏ん張り続けた」という思い出しかないですね(対談②に続く)。